2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトてんかんと同じ遺伝子異常を持つモデル動物の作出とその比較ゲノミクス的病態解析
Project/Area Number |
18300137
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
上野 伸哉 弘前大学, 医学部, 教授 (00312158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 元宏 三重大学, 医学部, 教授 (10281916)
福澤 雅志 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (10231557)
富山 誠彦 弘前大学, 医学部附属病院, 助教授 (40311542)
荒木 喜美 熊本大学, 学内共同利用施設等, 助教授 (90211705)
森山 朋子 弘前大学, 医学部, 助手 (90400134)
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Keywords | AChチャネル / てんかん / 遺伝子改変動物 / 疾患モデル |
Research Abstract |
ヒト夜間前頭葉てんかん(ADNLF)の原因遺伝子(CHRNA4)はニコチニックAChチャンネルをコードしてあり、α4及びβ2サブユニットに数種類の変異が人より見つかっている。このなかでα4サブユニットにヒトと同じ変異を持つ遺伝子改変動物(S284L-TG)をラットを用い作出した。本年度は作出したS284L-TGにおける機能変異を、脳波、神経伝達物質遊離機構、脳スライス標本によるネットワーク機構、行動変化の項目において解析し、また新たな動物作出にとりかかった。 機能解析結果として、自発性痙攣発作の焦点部位,発作脳波,神経伝達物質放出量を測定し、その発作パターンおよび薬物感受性がヒトの場合と同じであること明らかとした。またその発症メカニズムを探るため電気生理学的変異を解析し、ニコチニックAChチャンネルを介した抑制系神経増強作用の低下が見られ、痙攣発作発症に関与することが示唆された。一方でADNLFにおいて臨床的に合併しやすい他の神経疾患が知られている。そこでS284L-TGの行動学的解析を行い、合併疾患との関連を探索した。その結果,新環境への導入時の活動性の増加が見られ,新環境への不安行動に関してワイルドとの違いが見られる可能性が示唆された。 新たな動物作出として、β2に変異を導入したラットを4系統作成し,変異遺伝子のmRNA及びタンパクレベルにおける発現量,組織学的検索,繁殖性確認など,遺伝子導入疾患モデルとしての妥当性の検証を行い,系統確立を目指した。妥当性の検証された系統において,自発性痙攣発作の有無を脳波記録とビデオによる行動観察同時記録により探索している。痙攣発作を示す動物を確認後、導入遺伝子のコピー数を確定し、モデル動物として確立を目指している。
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[Journal Article] Effects of interleukin-lbeta on hippocampal glutamate and GABA releases associated with Ca2+-induced Ca2+ releasing systems.2006
Author(s)
Gang Zhu, G., Okada, M., Yoshida, S., Mori, F., Ueno, S., et al.
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Journal Title
Epilepsy Res 71・2-3
Pages: 107-116
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