2008 Fiscal Year Annual Research Report
病態モデル動物の病態発現を指標としたSPFマウス基本腸内細菌叢の作出とモニタリング
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18300138
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 喜久治 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (50100045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 和宏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (60208858)
浦野 徹 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 教授 (90101899)
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Keywords | 腸内フローラ / 病態モデル動物 / SPFマウス / モニタリンガ |
Research Abstract |
20年度はIL-10 KOマウスでの腸炎発症にかかわる腸内フローラを明らかにするため、IL-10 KOマウスを無菌化し各種ノトバイオートマウスを作出して、通常化したマウスでの腸炎と発症の程度を比較した。その結果、通常化マウスでは結腸部での飛行が顕著で、クリプトノ伸長、杯細胞の減少、粘膜固有層および粘膜下織への著しい炎症細胞の浸潤が見られた。一方無菌マウスではこのような変化は見られなかった。ノトバイオートではfusiform-shaped bacteriaを含むClostridium群で結腸部での肥厚が見られ、炎症細胞浸潤は認められたが著しい浸潤は限局性であった。他のノトバイオートでは無菌マウスに近いものであった。これらの結果は、IL-10 KOマウスでの腸炎発症にはClostridiumが強く関与し、さらにプラスアルファーの菌種が必要とされた。 FISH法を用いたマウス腸内フローラの解析法については、新たに作成したClostridium関係の5つのプローブ、Bacteroides用2種、Lactobacillus用1種、Bacteria全体用1種の合計9種類のプローブをセットとして開発した。これを用いてブリーディングコロニーごと、系統ごと、飼育環境ごとの違いを検討した。その結果、BacteroidesとClostridiumに違いがみられた。また、Bacteroidesの菌種レベルでのプローブを8種類作成し、ブリーディングコロニーでの違いを比較したところ、B.acidifacienceとfragirisグループの構成比が著しく異なっていた。マウスのBacteroidesではB.acidifacienceが主構成菌種で、fragirisグループではB.vulgatusが再優勢であった。これまでの成果によりマウス腸内フローラ全体のモニタリング、Bacteroides,Lactobaacillus菌種ごとの、Clostridiumクラスターごとのモニタリングが行えるシステムが出来たものと考える。
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