2006 Fiscal Year Annual Research Report
NCマウスを用いた感染症とアレルギー疾患に共通する分子基盤の解析
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18300139
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 民生 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90293620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米川 博通 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (30142110)
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Keywords | NCマウス / マラリア原虫 / アトピー性皮膚炎 / 脳マラリア / マラリア腎症 / 遺伝子 |
Research Abstract |
1.P.y.17XL株感染における原虫の高増殖性について:(1)NCマウスのマラリア原虫の高増殖性に極めて六きな影響を与えることが判明しているChr.9の1.7MbのPymr領域内に存在する幾つかの遺伝子を選択し塩基配列を比較し、アミノ酸レベルの置換のある候補遺伝子を見出した。(2)(NC.129X1-Pymr×129X1)F2交配群の雌約280匹にP.y.17XLを感染させ、感染5日後の血虫率と全ゲノム領域に配置した約80個のMitマーカーについて各個体の遺伝子型を判定して連鎖解析を行い、Chr.1にsuggestiveレベルの遺伝子座を検出した。2.P.b.ANKA株感染における脳マラリアについて:脳マラリア感受性のNC.129X1-Pymrと脳マラリアを発症しない129X1のF2交配群の雌約280匹にP.b.ANKA、を感染させた後、感染3週後まで観察して各個体の感染後の生存日数(表現型)を調査した。感染前に採取しておいた尾端からDNAを抽出し、全ゲノム領域に配置した約80個のMitマーカーの遺伝子型の判定を開始した。3.P.c.AS株感染における腎不全について:P.c.AS株を感染させたNCマウスの腎臓は、PAS染色標本により糸球体を中心に尿細管部位まで重度に障害されているごとが判明した。また、免疫染色より障害部位には免疫複合体が大量に沈着しており、この腎炎の病態は膜性増殖性糸球体腎炎であることが判明した。更に感染後の経時的な調査より、感染約1週後には高脂血漿や浮腫等のネフローゼ症候群を呈する個体が出現することが判明した。4.アトピー性皮膚炎の発症について:皮膚炎発症抵抗性のNC.129X1-Pymrと皮膚炎感受性のNCのF1個体は皮膚炎抵抗性であった。そこで、このF1個体のNCへの戻し交配群の作製を開始した。
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