2007 Fiscal Year Annual Research Report
NCマウスを用いた感染症とアレルギー疾患に共通する分子基盤の解析
Project/Area Number |
18300139
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 民生 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90293620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米川 博通 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床学総合研究所, 研究員 (30142110)
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Keywords | NCマウス / マラリア原虫 / アトピー性皮膚炎 / 脳マラリア / マラリア腎症 / 遺伝子 |
Research Abstract |
1.P.y.17XL株感染における原虫の高増殖性について:(1)NCマウスのマラリア原虫の高増殖性に極めて大きな影響を与えることが判明しているChr.9の1.68MbのPymr領域内に存在する全遺伝子についてSNPデータベースを用いてNCを含む感受性系統と129X1を含む抵抗性系統間で共通してアミノ酸レベルの置換のある遺伝子を2つ見出した。(2)(NC.129X1-Pymr×129X1)F2交配群の雌約280匹にP.y.17XLを感染させ、感染14日後の血虫率と全ゲノム領域に配置した約100個のMitマーカーの遺伝子型との連鎖解析を行い、Chr.8にsignificantレベルの遺伝子座を検出した。2.P.b.ANKA株感染における脳マラリアについて:脳マラリア感受性のNC.129X1-Pymrと脳マラリアを発症しない129X1のF2交配群の雌約280匹にP.b.ANKAを感染させ、脳マラリアの発症と全ゲノム領域に配置した約100個のMitマーカーの遺伝子型との連鎖解析を行い、Chr.1とChr.17にsuggestiveレベルの遺伝子座を検出した。3.P.c.AS株感染における腎不全について:P.c.AS株を感染させたNCマウスの腎臓は、感染4日後には既に糸球体を中心に免疫複合体が沈着しておりメサンギウム細胞の増殖が認められた。その後、血中から原虫が消失しても腎病変は進行し、感染14日後には結節性硬化病変が出現することが判明した。4.アトピー性皮膚炎の発症について:皮膚炎発症抵抗性のNC.129X1-Pymrと皮膚炎感受性のNCの戻し交配群約100匹の耳介にダニ抗原を1ケ月間(20回)塗布したときの皮膚炎の発症程度とChr.9に設定した約10個のMitマーカーの遺伝子型との連鎖解析を行ったが皮膚炎遺伝子の存在領域を特定するには至らなかったため、更に個体数を増やして解析を行うことにした。
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