2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300148
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
斉藤 浩一 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 助教 (00205668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三林 浩二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40307236)
大塚 公雄 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (00211798)
工藤 寛之 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (70329118)
戸川 達男 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (40013859)
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Keywords | 無痛採血 / 微細針 / 蚊の吸血 / 穿刺 / スパッタ |
Research Abstract |
近年,微細針を用いた無痛採血の試みが報告されてきている.微細針を用いた無痛採血は蚊の吸血をモデルにされることが多いが,実際の採血方法に利用しているのは微細な針を用いることのみで,蚊の巧みな穿刺機構はまったく応用されていない.本研究ではこのような蚊の吸血針モデルを作製し,その効果を評価することと実用性を検討することを目的とする. 本年度は,(1)まず予め束ねた熱可塑性の素材を加熱伸張することで,蚊の口束針を模擬した複合針を製作した.熱可塑性の素材としてビニル系,テフロン系などの樹脂の伸張性を検討したところ,スチロール系の樹脂が複合的な針の形状を維持しやすく熱加工が容易であることを確認した.鞘部となるパイプ(外径:内径=3.2:2mm)内に軸方向に2分割もしくは4分割した円柱材を組み込み,マイクロ電極作製機にて加熱温度と伸張速度を制御した結果,先端部外径が200μmの複合針の製作が可能となった. (2)次に針の血管穿刺制御に用いる情報収集用の電極として,針表面にPt薄膜の形成を行った.針表面は円筒状のため通常の平面スパッタリングでは均一な厚さの電極形成が困難である.そこで本研究では既製スパッタ装置に針軸方向の回転機構を導入することで,円筒表面への均一なPt薄膜形成を試みた.例えば4分割された円筒針の相対する二針および鞘針の表面にPt薄膜を形成することで,双極誘導が可能な電極の作成が可能となった. (3)複合形態による微細針の穿刺性を評価するため,生体組織に見立てた厚さ0.5mmの弾性薄膜材に対する穿刺実験を行った.その結果,内部針のみでは座屈変形により弾性薄膜の穿刺は不可能であったものの,蚊の穿刺と同様に鞘針を弾性薄膜材に接触後に内部針を送り出すことで,微細な針での穿刺が座屈することなく可能であることを確認した.
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