2008 Fiscal Year Annual Research Report
Quality of Lifeの向上を実現する超小型定常流型補助人工心臓の開発
Project/Area Number |
18300155
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
福井 康裕 Tokyo Denki University, 理工学部, 教授 (60112877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟久保 昭夫 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00307670)
矢口 俊之 東京電機大学, 理工学部, 助手 (70385483)
住倉 博仁 国立循環器病センター研究所, 先進医工学センター, リサーチフェロー (20433998)
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Keywords | 人工心臓 / 補助人工心臓 / 軸流血液ポンプ / 流体動圧軸受 / インペラ / 数値流体解析 / ポンプ特性 / 溶血試験 |
Research Abstract |
本研究では、高耐久性、高信頼性を有する補助人工心臓を実現するために、動圧軸受を応用した軸流ポンプの開発を目的としている。本年度は、軸流ポンプの要素技術である動圧軸受の検討を重点的に行い、その結果を基に軸流ポンプを試作しin-vitro評価試験を行った。 補助人工心臓の駆動条件下に適した動圧軸受を開発するために、軸受単体を評価可能な装置を新たに開発し、評価試験を行った。理論を基に試作した軸受は、目標とする浮上距離30μm、負荷容量2.1Nを回転数4,000rpmにて達成し、補助人工心臓に適用可能な性能が得られた。動圧軸受の溶血性能に関しては、ブタ血液を用いた溶血試験と数値流体解析の双方より検討を行った。その結果、血球が動圧軸受の溝エッジ部を通過する頻度が溶血性能に影響を与えることが示唆された。 評価装置にて検討した軸受を軸流ポンプに組み込み、in-vitro評価試験を行った。試作した軸流ポンプは全長150mm、直径50mm、重量230gであった。ポンプ性能試験の結果、流量5L/min、揚程100mmHgを回転数9,500rpmにて達成した。また、浮上性能試験の結果、9,500rpmにて約40μmの浮上距離が得られた。インペラの軸推力に対する変動は±5μm程度であり動圧軸受の耐久性、および受動安定性が確認された。同条件にて溶血試験を行った結果、臨床応用可能な溶血性能は得られなかった。軸流ポンプの溶血は、インペラの低効率に起因するものと考えられた。そこで、インペラの全長に関し更なる検討を行い、全長を減少することで効率の改善が示された。このことより、軸流ポンプの課題の明確化と共に、今後の性能向上のための設計指針を導き出した。 以上の検討より、溶血に関しては十分な性能は得られなかったが、製品と同等の性能を有し、かつ高耐久性、高信頼性を実現する軸流ポンプの基盤技術が形成された。
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Research Products
(11 results)