2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300156
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
辻岡 克彦 Kawasaki Medical School, 医学部, 教授 (30163801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 謙 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80341080)
遠藤 恒介 川崎医科大学, 医学部, 助教 (00350463)
氷見 直之 川崎医科大学, 医学部, 助教 (70412161)
望月 精一 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (60259596)
片岡 則之 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (20250681)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 単球 / 酸化LDL / 動脈硬化 / 一酸化窒素 / スーパーオキサイド / 食餌制限 / 運動 |
Research Abstract |
(1)動脈硬化初期における単球-内皮細胞相互作用の解析我々は,動脈硬化の主要促進因子である酸化LDLが内皮細胞間隙分子の発現を制御することにより(PECAM-1増加,VE-cadherin減少),単球の内皮下浸潤の開始を促進することを明らかにした.今年度は,PECAM-1に対する阻害抗体の効果を検討した.内皮細胞を予め最適条件のPECAM-1抗体で処理しておくと,酸化LDLによる単球の浸潤開始促進作用が有意に抑制され,前述の酸化LDLによるPECAM-1増加が単球浸潤促進の機序であることが確認された.次に,単球の接着や血流によるずり応力等の機械的刺激に対する内皮細胞の初期応答を検討した.今回は,機械刺激として,レーザーピンセットによる非接触状態での内皮細胞膜状への微小ひずみの添加について検討した.微小ひずみの添加により直ちに内皮細胞内Ca2+濃度が上昇し,周囲の細胞にも伝播した.細胞外のCa2+無しの状態,及びstretch-activated ionchannelの阻害下でも同様の上昇が観察されたことから,上昇したCa2+は主に細胞内ストア由来であると考えられた. (2)運動と食餌制限の動脈硬化予防効果動脈硬化に対し予防的に作用すると言われている運動と食餌制限の効果を実験的に検討した。正常ラットを食餌量により自由摂取群と70%摂取群に分け、各々をさらに運動群と非運動群に分けた。食餌制限と運動は同時に開始し、運動は水泳(1時間/日、5日/週)を8週間負荷した。毎週生理学的データを計測した。実験終了時にラット大動脈-腎動脈分岐部内皮細胞内のNO産生量およびスーパーオキサイド産生量をレーザ走査共焦点共焦点顕微鏡を用いて蛍光検出した。また、臓器中のSOD活性を測定した。カロリー制限と運動はともに動脈硬化の危険を低下させるとともに両者で相乗的に危険を減少させた。局所血管部位の内皮細胞内の酸化ストレス度は血管部位、運動、食餌による明白な際は見いだせなかったが、臓器SOD活性の測定結果から運動が臓器SOD活性を増加させ、その結果酸化ストレス度が低下し、動脈硬化の危険を低下させる可能性が示唆された。
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