2006 Fiscal Year Annual Research Report
発生学的知見に基づいたES細胞由来肝組織による新しい概念の高性能肝臓モデルの開発
Project/Area Number |
18300161
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田川 陽一 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助教授 (70262079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小関 英一 株式会社島津製作所, 基盤研究所, 主幹研究員 (30192529)
宮川 眞一 信州大学, 医学部, 教授 (80229806)
長岡 正人 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助手 (90397050)
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Keywords | ES細胞 / 肝細胞 / チップ / 赤色蛍光 / トランスジェニックマウス / 肝実質細胞 / 器官形成 / 肝機能 |
Research Abstract |
(1)アルブミンー赤色蛍光タンパク質(DsRed)ノックインベクターを作製しマウスES細胞に導入したところ、相同遺伝子組換えクローンを得たことをPCR法により確認した。さらに、このノックインES細胞を我々独自の手法により肝組織へ分化誘導したところ、期待どおりに、抗アルブミン抗体免疫染色により陽性である細胞が赤色蛍光を示した。このことは、ES細胞由来肝実質細胞において、染色体上のアルブミン遺伝子座にノックインされたDsRedがアルブミンと同時に発現できることを示唆している。現在、この相同遺伝子組換えクローンについて、サザン解析などで詳細に遺伝子の状態を調べており、正確な相同遺伝子組換えであることが確認でき次第、キメラマウスを作製し、肝臓の肝実質細胞領域のみが赤色蛍光を呈するかどうかを確認する予定である。 (2)500μl容量の大型マイクロ培養装置(チップ)を作製し、乱流とそう流になるための培養液の出入り口を検討した。さらに、500μlレベルでアンモニア代謝測定を可能とするアッセイ法を確立した。 (3)肝実質細胞をin vitroでより長期間培養することを目的として、接着マトリックスについて分子生物学的な解析を行った。Poly[N-p-vinylbenzyl-4-Ob-D-galactopyranosyl-D-gluconamide](PVLA)上での肝実質細胞の細胞解離による細胞死(アノイキス)が回避されることを確認し、肝実質細胞のアノイキスにはFasシグナルが関与していることが明らかとなった。また、PVLA、 PLL上で培養された場合のアノイキス回避はFasの産生が抑制されているためであることが示唆された。さらに、PVLA上の肝実質細胞の生存性の向上のためにはAktの活性化が有効であると考えられた。
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Research Products
(2 results)