2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体因子グラジエント化足場材料を利用した幹細胞からの骨-軟骨組織界面の再生
Project/Area Number |
18300163
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 雅哉 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (10332735)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
|
Keywords | グラジエント化 / 生体因子 / 足場材料 / 幹細胞 / 骨軟骨再生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、骨、軟骨分化に関与する細胞増殖因子や転写因子などの生体因子の濃度勾配が空間的に制御された、幹細胞のための生体因子グラジエント化足場材料を創製することである。本年度は、幹細胞の骨分化、軟骨分化を空間的にコントロールするために、生理活性を保持した細胞増殖因子のタンパク質の濃度グラジエントをもつ足場材料、ならびに、骨分化に必須の転写因子であるRunx2に対するsmall interference RNA(siRNA)を利用して、Runx2に対するRNA干渉について、骨芽細胞様細胞株を用いて検討した。 ポリアクリルアミドを表面グラフト化した不織布に対して、高分子鎖の酸アミド結合を一方向の濃度勾配をもつように加水分解反応することによって、官能基濃度のグラジエントをもつ傾斜機能化材料を得た。また、濃度勾配は加水分解の反応条件により変化させることができた。導入したカルボキシル基に対して両末端アミノ基をもつ化合物を導入後、ヘパリンをイオン結合により導入した。多くの細胞増殖因子はヘパリンに親和性があるため、その一例として塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を用いたところ、ヘパリンを介して傾斜的にbFGFが導入され、細胞内シグナルの一つであるErkを活性化していることがわかった。 一方、Runx2に対するsiRNA配列を設計し、骨芽細胞様細胞株であるMC3T3-E1に作用させた。骨形成因子(BMP-2)存在下、3日間培養後、Real-time PCRを用いてRunx2の遺伝子発現を調べたところ、Runx2に対するRNA干渉能の高いsiRNAを見いだすことができた。このsiRNAを傾斜機能化材料へ応用することにより、幹細胞の増殖分化を傾斜的にコントロールすることができる足場材料を設計することができると考えられる。
|
Research Products
(1 results)