2007 Fiscal Year Annual Research Report
スマートバイオマテリアルとしての生体分子応答性ゲルの創製とその応用
Project/Area Number |
18300166
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
宮田 隆志 Kansai University, 化学生命工学部, 准教授 (50239414)
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Keywords | ゲル / 刺激応答性ゲル / 生体分子複合体 / バイオコンジュゲーション / 分子認識 / 分子インプリント法 / DNA / 蛍光共鳴エネルギー移動 |
Research Abstract |
本研究では,ドラッグデリバリーシステム(DDS)や医療診断センサーに利用できる新規なスマートバイオマテリアルとして,様々なシグナル生体分子に応答する生体分子応答性ゲルの合成を試みた。本年度は,クロモフォアを導入した二種類のDNA応答性ゲルの合成を行った。一つは応答膨潤型のクロモフォア導入DNA架橋ゲルであり,もう一つは応答収縮型のクロモフォア導入DNAインプリントゲルである。それらのクロモフォア導入DNA応答性ゲルについて以下に研究成果をまとめる。 (a)生体分子架橋ゲル(クロモフォア導入DNA架橋ゲル) 蛍光ドナーとアクセプターを導入したアクリロイル化DNAを二本鎖形成させた状態で親水性モノマーおよび架橋剤モノマーとを共重合することによってクロモフォア導入DNA架橋ゲルを合成した。このゲルは,標的DNAの溶解した緩衝液中で膨潤するDNA応答性を示した。さらに,標的DNAに応答して膨潤する際にDNAに結合した蛍光ドナーとアクセプターとの距離が変化し,蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)挙動が変化することによってゲルの蛍光強度が顕著に変化した。 (b)生体分子インプリントゲル(クロモフォア導入DNAインプリントゲル) 前年度と同様に生体分子インプリント法によって,標的DNAに応答して収縮するDNAインプリントゲルの合成を行った。さらに,リガンドとして用いたDNAに蛍光ドナーとアクセプターを導入したクロモフォア導入DNAインプリントゲルも合成した。このゲルは,標的DNAを認識して収縮する際にリガンドDNAに結合した蛍光ドナーとアクセプターの距離が近づき,FRETによってゲル蛍光強度が変化することがわかった。
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