2008 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍に対する新規超音波セラグノーシス・システムの開発
Project/Area Number |
18300175
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
馬目 佳信 Jikei University School of Medicine, 医学部, 教授 (30219539)
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Keywords | 脳腫瘍 / 超音波診断 / 超音波治療 / 音響化学療法 / マイクロバブル |
Research Abstract |
脳腫瘍の中でもグリオーマは様々な補助療法を行っても予後は不良であり新たな治療法の開発が望まれている。この際、グリオーマは悪性ではあるが他の臓器への遠隔転移は稀であり、死因のほどんどが局所再発によるため手術後の局所再発を早期診断し有効に治療できれば患者の長期生存も可能である。この研究ではこれらの脳腫瘍の性質を考慮し、超音波を用いて治療を行いながら、高感度・リアルタイムのイメージング診断を行うシステム(セラグノーシス)の確立のための試作機の作製を行っている。今年度までにセラグノーシスシステムの診断用プローブおよび治療用トランスデューサーの規格が決定されたため、今回、条件を満たす試作機を組み立てた。ラット皮下および脳内移植モデルの脳腫瘍治療結果から治療用超音波は周波数200kHz、強度3W/cm2のものを用いる予定であったが、昨年度のシミュレーションで200kHzのものは口径を広くしても超音波ビームが十分に収束せず、正常の中枢神経系組織を回避して腫瘍部に治療用超音波を安全に照射することが難しいことが判明したため、ビームの収束性の安定な500kHzの周波数のトランスデューサーの使用に切り替えた。診断用トランスデューサーの探索位置は治療用ビームの焦点に置く必要から、最終的に口径60mmものの中央に診断用超音波プローブをための19mmの角穴を空けたものを作製して使用した。診断用超音波は現在医療用に用いられているトランスデューサーが安全性や安定した画像のため最も有効であったため市販のフィンガータイプのプローブを転用した。装置は今後、結果や性能を観察しながら順次改良を行う予定である。来年度に最終版の試作機を完成させる。
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