2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍に対する新規超音波セラグノーシス・システムの開発
Project/Area Number |
18300175
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
馬目 佳信 Jikei University School of Medicine, 医学部, 教授 (30219539)
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Keywords | 脳腫瘍 / 超音波診断 / 超音波治療 / 音響化学療法 / マイクロバブル |
Research Abstract |
原発性脳腫瘍の中でグリオーマは最も頻度が高く予後も不良なため新たな治療法の必要性が叫ばれている。一方この疾患での死亡原因のほとんどは手術後、残存した腫瘍の局所での再発であるため、再発を抑えるような有効な局所療法が確立すれば患者の長期生存が期待できることが知られている。本研究では有効な局所療法として超音波の音響学的エネルギーを利用して治療を行いながらイメージングにより診断を行う装置、すなわちセラグノーシス・システムの試作を目的としている。昨年度より試作を開始したが本年度はこれまでに得られた条件から治療用超音波の規格を決定し、最終的に試作機を完成させた。超音波診断用デバイスとしては日立メディコEUB6500を利用して治療用超音波発生装置およびアンプと組み合わせた。治療用トランスデューサーは独自に口径60mmものを製作した。この装置の開発により超音波周波数500kHz,連続波を0-3W/cm2の超音波強度で照射することが可能となった。治療用トランスデューサーの中央には診断用超音波プローブを装着しており治療用超音波を照射している間、照射部での様子を診断用装置でモニターできる。本システムでは超音波増感剤としてマイクロバブル製剤レボビストを用い、実際に使用したバブルの平均径は10ミクロンであることが計測された。本研究によりバブル製剤を用いた脳腫瘍音響力学療法の有用性が明らかとなった。超音波では生体内で核酸などを腫瘍内に導入することができる。グリオーマの増殖シグナルを抑制する核酸医療とのコンビネーションを行うことでさらなる効果が期待されると考えられた。
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