2007 Fiscal Year Annual Research Report
三次元心エコー図による僧帽弁形成術のための僧帽弁複合体立体模型製作システムの開発
Project/Area Number |
18300177
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
吉田 清 Kawasaki Medical School, 医学部, 教授 (60322583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種本 和雄 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90330547)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (10152365)
大倉 宏之 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30425136)
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Keywords | 三次元 / 心エコー図 / 僧帽弁形成術 |
Research Abstract |
僧帽弁は、僧帽弁複合体(弁尖・弁輪・腱索・乳頭筋や心室の機能などの構成要素)の複雑な立体構造が緻密な相互的機械作業によってはじめて正常に働く機能弁である。心エコー専門医の技術と解釈によってもリアリスティックに三次元構造異常を把握する事や、これを心臓外科医に伝えて最適な僧帽弁形成術のための情報提供行うことは難しく、ましてや手術をうける(医学知識のない)患者本人により正確な病態と手術方法を説明する事は困難を極める。本研究では、リアルタイム三次元心エコー画像情報をデータベースとしたデジタル僧帽弁複合体三次元構造解析装置を用いて、バーチャル手術を前提とした僧帽弁の「模型」を製造するシステムを開発することを目的とした。まず、僧帽弁形態変化を伴う僧帽弁閉鎖不全患者の心臓全体の立体画像を取り込み、その画像から僧帽弁複合体を抽出するソフトウェアの開発を進めた。この技術により、画面上にて立体的な僧帽弁形態をリアルに観察し、さらに三次元空間内で計測することが可能となった。僧帽弁逆流が予後を左右する拡張型心筋症患者での詳細な弁形態異常を評価することができ、心室の側方方向への拡大により弁の接合部面積率が下がることで逆流発生のトリガーとなることがわかった。さらに、動物実験モデルにおいてこの三次元的に計測した弁接合部面積率の意義につき検討したところ、弁接合部面積率が約15%を切った時点で逆流が発生することが明らかになった。これらのデータベースを光造型システムに転送し、三次元模型を作成し、立体模型を観察・評価する技術が可能となった。
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