2006 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経疾患における遂行機能障害に対する連続経頭蓋磁気刺激の臨床応用に関する検討
Project/Area Number |
18300180
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中馬 孝容 北海道大学, 大学病院, 助手 (70281805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生駒 一憲 北海道大学, 大学病院, 教授 (70202918)
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Keywords | パーキンソン病 / 連続経頭蓋磁気刺激 / modified Stroop test / 前頭葉機能 / 遂行機能障害 / 前頭前野背外側部 |
Research Abstract |
中枢神経変性疾患であるパーキンソン病を対象として、連続経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation : rTMS)を行い、前頭葉機能および運動機能に対する効果を検討した。rTMSは10Hzの刺激を5秒間、20trains行い、計1000パルス投与した。1)シャム刺激と2)左側運動野、3)左側前頭前野背外側部、4)右側運動野、5)右側前頭前野背外側部の4箇所にrTMSを行った。また、1)〜3)は11名のパーキンソン病患者(平均年齢68.6±5.8歳、Hoehn & Yahr重症度分類2.9±0.3、FAB13.0±2.1)に、4)、5)は8名のパーキンソン病患者(平均年齢67.1±4.1、Hoehn & Yahr重症度分類2.9±0.6、EAB11.7±2.3)に行った。rTMSは北海道大学倫理委員会にて承認を受けており、全例にインフォームドコンセントを行った。1)〜5)のrTMSの前後にて、paired-pulse TMSによる皮質内抑制の評価および10m歩行時間・歩数、握力、カウンター数、ピンチ力、modified Stroop test(慶應大 鹿島訳)を行った。modified Stroop testは、part 1は色を読み上げる時間を測定し、part 2は各漢字(赤・青・黄・緑)の印刷の色を読み上げる時間を測定した。結果は、Modified Stroop testにおいて、1)ではpart 1は有意差をもって低下がみられ、2)3)4)では著変はみられなかったが、5)ではpart 2において低下がみとめられた(p=0.05)。これらより、パーキンソン病における右前頭前野背外側部へのrTMSによる前頭葉機能への影響が推測され、前頭葉機能低下や遂行機能障害に対する臨床応用の可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)