2007 Fiscal Year Annual Research Report
医師のコミュニケーション能力の向上が脳卒中患者と家族のQOLに及ぼす効果
Project/Area Number |
18300181
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
出江 紳一 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (80176239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 俊一 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30238505)
近藤 健男 東北大学, 病院, 講師 (30282130)
石井 誠一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60221066)
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Keywords | リハビリテーション / 医療・福祉 / 脳・神経疾患 / 医療コミュニケーション / QOL |
Research Abstract |
脳卒中診療医に対するコーチング理論に基づいた医療コミュニケーションスキルトレーニング(MCST)が、医師のコミュニケーション能力と患者の心理的満足度に与える影響を検討した。対象は慢性期脳卒中患者の診療を担当している医師でMCST研修への参加を希望した34名、また、参加医師が担当している外来脳卒中患者で研究参加の同意の得られた105名であった。参加医師は,講義とロールプレイングを組み合わせた2日間のMCST研修を受講した後、Eメールによる関連トピックを2ヶ月間受信した。研修前後に医師のコミュニケーションスキル自己評価、患者の医師とのコミュニケーション満足度(コミュニケーション満足度,総合満足度,目標設定・行動化に関する成果)、患者のQOL、介護者の介護負担感を評価した。研修前後のアンケートがすべて完了した医師は23名(42.0歳±8.16)、患者は73名(63.6歳±10.1)であった。研修参加前後では、医師のコミュニケーショシスキル自己評価の有意差は認めなかった。患者の「コミュニケーション満足度」(研修前vs研修後;46.8±7.1vs48.6±6.3[p<0.001])、「総合満足度」(16.8±2.3vs17.4±2.3[p<0.001])、「目標設定・行動化に関する成果」(14.6±3.1vs15.2±3.0[p<0.05])は有意に上昇した。患者のQOL、介護者の介護負担感は、有意な変化が見られなかった。本研究の結果は、医師に対するMCSTが患者の心理的満足度に効果を与えることを示唆した。
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