2007 Fiscal Year Annual Research Report
重度視覚障害者がWebの非言語コンテンツを獲得するための支援方式
Project/Area Number |
18300192
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
清水 豊 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (50231733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下条 誠 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (90292474)
長岡 英司 筑波技術大学, 障害者支援研究部門, 教授 (30227996)
篠原 正美 産業技術総合研究所, 能力開発部門, シニアアドバイサー (90357195)
島田 茂伸 電気通信大学, 電気通信学部, 特別研究員 (80377027)
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Keywords | 重度視覚障害 / Web / 触覚ディスプレイ / 非言語情報 / 画像 |
Research Abstract |
本年度はWebに掲載される図形や画像などの非言語情報を重度視覚障害者が獲得するための支援システムのプロトタイプを構築し評価実験を行い以下の結果を得た。 1.Web言語化 支援システムの特長が触覚グラフィックとその触察難解部に対する合成音声キーワードの提示であるが、触覚グラフィック領域は視覚ディスプレイに比べて構造的に狭くせざるを得ないため、グラフィック部の拡大・縮小機能が必要である。それに応じて触察難解部の座標も変わってしまう。そのため領域対応キーワード化方式を考案し、Web用のFlashファイルを利用することで解決した。また、対象の認知促進のためにはイメージの概要情報が有効であり、HTMLのALTタグに音声情報を埋め込むことで対応できることを明らかにした。 2.プロトタイプ構築 GUI操作を基本とするWindows OS搭載PCにおいて触覚支援と音声支援を併用するシステムをUSBインタフェースのもとで使用可能にした。そのための解決課題として触察時に触覚ディスプレイをタッチによって、スクロール、クリック、画面の拡大・縮小を誤操作なく行う必要があった。今年度は新しいアルゴリズムとユーザインタフェースを構築してこの課題を解決すると共に、タッチ・クリックによって合成音声を発する支援機能を搭載でき、狙いとするシステムを完成させた。 3.評価実験 プロトタイプシステムを用いて、重度視覚障害者と目隠しをした晴眼者を参加者にした実験を行った。重度視覚障害者が求めるWeb利用に係わって、目標地点へのガイド実験、地図情報の認知実験、イラスト図形の認知実験を実施し、ほとんどのタスクに対して情報提供が可能であったとともに使用感は良好であるとの評価結果を得た。
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