2006 Fiscal Year Annual Research Report
病院における聴覚障害者の受療時の対話支援用手話アニメーションの研究開発
Project/Area Number |
18300193
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
森本 一成 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (00127169)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 勝夫 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60077691)
垰田 和史 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (90236175)
北原 照代 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (20293821)
|
Keywords | 手話翻訳 / 手話アニメーション / 手話通訳者 / 立体視 / 受療拒否 / コミュニケーション支援 |
Research Abstract |
病院において手話通訳者を必要としないで、聴覚障害者と健聴者との円滑なコミュニケーションの支援を可能とするための日本語と手話の相互翻訳システム構築を目指している。本研究では胃部レントゲン検査におけるレントゲン検査技師と受検者のコミュニケーションを対象とする。従来の問題点であった手話画像の奥行き方向のわかりやすさを改善するために、立体視表示による手話画像を作成した。この手話画像のわかりやすさを調べるために評価実験を行った。10年以上手話を用いいている聴覚障害者を被験者とした。評価実験では胃部レントゲン検査指示用の手話画像を立体視表示したものとの平面視表示したものの2種類の手話のわかりやすさを比較検討した。その結果、立体視表示にする事により、前後方向に動作する手話単語の分かりやすさが向上した事がわかる。これは、立体視表示にする事により、手話モデルの奥行き感が向上した事で、平面視表示よりも手の形や手の前後方向の動きがわかりやすくなったと考えられる。また、聴覚障害者の受療拒否の問題を解決するための方策を検討するために、聴覚障害者の乳がん検診受診に関する質問紙調査を実施した。聴覚障害の女性70名、ならびに対照群として156名の健聴女性であった。質問項目は、聴覚障害の有無、乳がん検診の認知状況、受診・非受診の理由、検診の内容などであった。回収率は78%であった。過去2年以内のマンモグラフィー併用検診受診率はそれぞれ19%と27%で、検診は知っていても積極的な受診行動には結びついていない傾向が聴障者により強く伺われた。今後検診を受診したいとの回答は健聴者で75%であったのに対し、聴障者では55%であった。受診しない理由のうち、男性医師・技師に胸を触られるのがイヤとかコミュニケーションがとりにくいというのが有意に高かった。これらのことから聴覚障害者に対するコミュニケーション支援システム構築のための具体的な検討事項が得られた。
|