2007 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者の音源定位及び反響定位測定の定量的評価と定位スキル向上に関する研究
Project/Area Number |
18300195
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
田内 雅規 Okayama Prefectural University, 保健福祉学部, 教授 (00075425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝文 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (70144061)
藤井 厚紀 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (10364100)
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Keywords | 視覚障害 / 晴眼者 / 音源定位 / 2音源弁別 |
Research Abstract |
(目的)視覚障害者は日常生活における聴覚情報への依存度が高いため、視覚障害者の音源定位能力は晴眼者より優れているとみなされているが、従来の研究結果は必ずしも一致していない。本研究では、視覚障害者と晴眼者の音源定位特性を2音源弁別法を用いて比較し、さらに視覚障害の受障時期や残存視力の影響についても検討を加えた。 (方法)被験者は視覚障害者22名(早期受障者15名、内全盲8名、弱視7名、後期受障者7名、内全盲4名名、弱視3名)と、晴眼者22名とした。実験は半無響暗室で行い、被験者正中を中心に、被験者から3m離して左右同一角度のスピーカー(SP)を4対(SP間角度6、10、14、18度)、円弧状に置いた。試行はSPの1対から、時間差をつけて試験音を各1回ずつ吹鳴させた。試験音は純音4種類で、音量は60dBとした。評価は音源が2箇所と回答し、かつ確信度が高い場合を「正答」、それ以外を「誤答」として、SP間角度と正答率の関係を求めた。 (結果)音源弁別能力は、視覚障害者が全ての試験音において、ほとんどのSP間角度で晴眼者よりも正答率が高いか同程度であった。早期受障者と後期受障者に分けて音源弁別能を比較すると、早期受障者が多くの試験音において後期受障者よりも小さいSP間角度で高い正答率を示した。また全盲と弱視者の音源弁別能を比較すると、全盲者が全ての試験音において、ほとんどのSP間角度で弱視者よりも高い正答率を示した。 (結論)これらの結果から、視覚障害者は晴眼者よりも高い音源弁別能を有する事が認められた。また視覚障害者を受障時期で分けた場合、早期受障者の方が高い弁別能を有し、低年齢時の視覚情報の有無が音源弁別能力に影響を与える可能性が示された。また全盲者は弱視者より高い音源弁別能力を有しており、弱視者の残存視力が音源弁別能力の向上を阻害する可能性も示された。
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Research Products
(2 results)