2008 Fiscal Year Annual Research Report
痩せから肥満へ周期的に変化する自己画像観察者の前頭前野の活動
Project/Area Number |
18300199
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Research Institution | Aichi Prefectural University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
石垣 享 Aichi Prefectural University of Fine Arts and Music, 美術学部, 准教授 (60347391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 毎実 愛知県立芸術大学, 美術学部, 准教授 (50305520)
中島 聡 愛知県立芸術大学, 美術学部, 教授 (40281258)
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Keywords | 脳・神経 / 画像認識 / 解析・評価 / 社会医学 |
Research Abstract |
本研究は、モーフィングソフトを応用することによって、被験者本人の全身像を「現状」を中心として「肥満」から「痩せ」に一定周期で変化する刺激画像を作成し、これを観察している被験者の脳活動に画像と同期した周期的な変化が認められるのかを観察することであった。これまでの女性の魅力的な体型に関する研究は、ある固定の線画または誰かの写真を加工したものを用いた検討がほとんどであったが、本研究は、被験者の自画像のアウトラインが変化することで、被験者に対して真実味のある刺激画像を提示することが特色である。変化する自身のアウトラインを観察している被験者の脳波のスペクトルパワーは、全周波数帯において明らかな周期的な変化が認められなかった。しかし、自身が理想とする体型(推定BMIの範囲で16.2〜25.3)の箇所では、右前頭部のα波分布を示す被験者が認められた。また彼女達は、極度の肥満(BMIが40)およびやせ(BMIが10)では、左前頭部のα波分布が消失することが認められた。また、被験者に対して、プリントアウトされたアウトライン画像および動画の観察中に理想と思われる箇所を記録する事で理想体型の判別をした結果、理想とする体型の推定BMI(kg/m^2)の平均値は、写真判定および動画判定とも上限は23.7kg/m^2であったが、下限は写真判定で17.3kg/m^2、動画判定で17.9kg/m^2であった。動画判定による理想体型の体格は、BMIが19.8kg/m^2であった。この結果から、彼女たちは、BMIが24kg/m^2から「太っている」と感じ、同様にBHIが17kg/m^2以下から「やせている」と感じるものと推察され、極端にやせている体型を望んではいなかった。日本人若年女性は、標準体重(BMI=22.0kg/m^2)よりも10%低い身体イメージを理想としていると考えられる。
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Research Products
(3 results)