2007 Fiscal Year Annual Research Report
体育科教育における目標・内容システムの構成-身体運動文化の主体形成活動の組織化
Project/Area Number |
18300207
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
森 敏生 Musashino Art University, 造形学部, 教授 (30200372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 教授 (30151955)
丸山 真司 愛知県立大学, 文学部, 教授 (10157414)
田中 新治郎 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (70197432)
中瀬古 哲 県立広島大学, 人間文化学部, 教授 (00198110)
中西 匠 武庫川女子大学, 短期大学部, 准教授 (10259608)
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Keywords | 身体運動文化 / 身体形成 / 人格形成 / 活動理論 / 陶冶と訓育 / 学習指導要領 / 目標・内容の系統化 |
Research Abstract |
本研究は,身体運動文化の主体形成をめざす体育科教育の目標・内容を構造的に導く理論的基礎を確立し,実践的手がかりを得ることを目的としている。今年度は,指導要領改訂論議の動向をにらんで体育科が担う目標・内容論の焦点として身体(能力)形成と人格形成に関する原理的考察を試みた。同時に,実践の事例から目標・内容の重点化と系統化について検討した。成果は以下の通り。 1.身体(能力)形成に関する代表的な体育の考え方を検討した。活動理論的カテゴリーにより,主体の身体能力を活動・行為能力に位置づけるとともに,文化内容とりわけ運動技術の構造との関連を全体的・統合的に把握する見通しを得た。 2.人格形成に関して,社会的発達,人格構造論,陶冶と訓育論,規律形成の指導論の観点から考察した。教科教授では身体運動文化を基盤とした教科内容及び学習集団の訓育作用に注目する必要がある。また,学習課題をめぐる主体及び主体間の矛盾の克服プロセスが重要である。 3.指導要領改訂論議における体育科の目標(内容)の構造には曖昧さがある。「身体能力」の目標は「動き」「技能」「体力」で構成され,他方で全体的な教育課題として「体力」の育成が求められている。「態度」の目標においても,運動の学習にともなう規範的・情意的態度のみならず,道徳との関連性も指摘される。今回,各領域の内容の系統化が図られているが,その根拠や構成原理の検討が必要である。 4.実践事例から,発達階梯によって「ともにうまくなる」「ともに楽しみ競い合う」「ともに意味を問い直す」学びと経験の配分及び主導的な目標成分に違いが見受けられた。3つの目標成分が未分化ながら「ともに楽しみ競い合う」が主導的段階,「ともにうまくなる」技術的追求と達成が際立つ段階,「ともに意味を問い直す」省察を介して技術と組織の両面で学習を深化させる段階である。
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Research Products
(9 results)