2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300209
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
池上 康男 Nagoya University, 総合保健体育科学センター, 教授 (60092988)
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Keywords | 車椅子駆動 / パワー発揮 / バイオメカニクス / 駆動速度 |
Research Abstract |
本研究は主に、我々が開発した車椅子エルゴメータを用いて車椅子駆動におけるパワー発揮能力を測定している。平成18年度は開発した車椅子エルゴメータによるパワー測定上の問題点を解決し、駆動パワーの測定精度の向上のための方策および、パワー発揮能力の小さな被験者のための測定方法の改良を行った。平成19年度はこれらの改良された測定法に従い、車椅子エルゴメータ上での車椅子駆動によるパワー発揮を行わせ、データの収集を行った。データの収集は車椅子エルゴメータから得られる負荷、車輪の回転速度、駆動期、リカバリー期におけるパワーの変動だけでなく、それらをコンピュータに取り込み処理することによって、ピッチ、駆動時間、リカバリー時間、駆動輪の角加速度等を求めた。また、駆動時の身体の動きを同期された2台の高速度ビデオカメラで撮影し、駆動動作を3次元で分析した。最大パワーにつては、本研究のように車椅子エルゴメータを用いる場合は負荷の設定が極めて重要である。ヒトの最大筋パワー発揮には至適負荷が必要で、負荷が弱過ぎても、強過ぎても最大パワーが得られないことはよく知られている。本研究では予備実験でおおよその負荷値を推定しておき、それより小さめの負荷から出発して最大駆動でのパワーの測定を数回繰り返すことにより、最大パワーが得られると予想される負荷値を推定し、その負荷値を用いて最大駆動テストを行い、最大パワーを決定した。もともと上肢によるパワー発揮能力が小さい被験者(頚椎損傷者)では、各被験者の至適負荷と最大パワー、最大駆動時の回転数と最大パワー、ピッチと最大パワーの間に相関関係が得られた。特に、ピッチと最大パワーの間には高い相関が得られた。
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