Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 英雄 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (80133023)
寺田 恭子 名古屋短期大学, 教授 (20236996)
金山 千広 聖和学園, 短期大学部, 准教授 (10321150)
柿山 哲治 活水女子大学, 健康生活学部, 准教授 (10255242)
高橋 和文 金城学院大学, 現代文化学部, 講師 (10434549)
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Research Abstract |
本年度は,大学における教養教育課程および専門教育課程において,アダプテッド・スポーツに関する実習あるいは講義を開講しているかどうかを調査し,大学におけるアダプテッド・スポーツ教育の実態を明らかにすることを研究目的とした。調査方法は直接面接法,アンケートの郵送法,あるいは授業のシラバスからアダプテッド・スポーツ関連科目の実態を把握することとした。国公立大学の教養教育課程に従事している体育教員に対しては,障害のある学生のスポーツ実習科目をどのように実施しているかという質問を行なった。障害のある学生に対し個別に対応している(8.5%)および特別なクラスを設けて対応している(18.3%)という充実した指導体制がある一方で,実技にかえて見学およびレポート(15.9%),講義に振替える(2.4%),特別な対応をしない(7.3%)と,障害のある学生にとって体育実技科目を履修することが困難な状況にある大学も少なくなかった。一方,保健体育教員養成課程を有している大学において,アダプテッド・スポーツ教育に関する関連教科科目を開講している割合は,毎年開講,隔年開講,および教科の一部として開講を併せても35%にすぎなかった。また,短期大学の調査では,障害者スポーツ初級指導員を取得できる18の認定校を対象とした。これらの学校ではアダプテッド・スポーツ科目が充実しており,その成果はアダプテッド・スポーツを履修し習得しただけでなく,障害者を理解する上での教育効果が顕著であることが示された。 大学教育におけるアダプテッド・スポーツ科目への対応は大学により大きな差が認められた。アダプテッド・スポーツ科目の開講をしていない大学では,対応できる教員がいないこと,教員自体の数が少なく個別の対応ができないことなどが,その主な理由であった。最終年度となる来年度は,アダプテッド・スポーツ教育が進んでいる諸外国の調査を通して,我が国におけるアダプテッド・スポーツ教育の問題点を明らかにしく予定である。
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