Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 俊 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授 (70164069)
倉持 梨恵子 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 助教 (00386658)
赤居 正美 早稲田大学, 国立リハセンター・運動機能障害研究部, 部長 (80143452)
井田 博史 神奈川工科大学, ヒューマンメディアセンター, 研究員 (20392194)
奥脇 透 早稲田大学, 国立スポーツ科学センタースポーツ医学部, 研究員 (20274871)
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Research Abstract |
本研究では,三次元動作解析装置を用いた受傷メカニズムのバイオメカニクス的検討において著明な成果が得られた.特にPoint Cluster法を用いることにより脛骨の回旋を含めた詳細な検討が可能であった.まず性差について,脛骨内旋変位量が男性に比較し女性で有意に大きかった.大腿直筋の接地前筋活動が,男性に比較し女性で有意に大きかった.その他女性では片脚動作は両脚着地に比較し,膝屈曲角度が小さく,脛骨内旋変位量が大きい特徴がみられた.特に切り返し方向と足部方向が異なる片脚着地-切り返しでは片脚着地に比較し,脛骨内旋変位量,外転変位量が大きかった.加えて,ターン動作においては,体幹前傾角度と膝屈曲角度,体幹前傾角度と脛骨内旋変位量,体幹側方傾斜角度と脛骨内旋変位量に相関がみられた.以上の結果よりACL損傷メカニズムとして,片脚着地時や特に着地から足部方向と異なる方向へ切り返しを行う場合の脛骨内旋運動.さらにはターン動作における体幹前傾不足やターン方向への体幹側方傾斜の増加が見られた.こうした男女での受傷メカニズムの検討と共に,ACL損傷予防トレーニングの開発を行った.予防トレーニングの効果として,片脚着地時の膝屈曲角度が増加すること,また,両脚着地時の膝外反角度を減少させること,さらにはサッカーにおける予防トレーニングではパフォーマンスの向上もみられ,その有用性を示した.また,予防トレーニングの普及のためバスケット,サッカー,スキー,テニスにおいて各競技団体と協力し,各種目特性を踏まえた外傷予防プログラムを開発し,DVDなどの媒体を通じて諸学会にて配布,普及に努めた.こうした活動の結果,スポーツ医科学部門でのスポーツ外傷予防の概念の普及に大きく貢献することが出来た.
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