2006 Fiscal Year Annual Research Report
ライフスキル形成を基礎とする薬物乱用防止教育の長期的効果に関する大規模評価研究
Project/Area Number |
18300222
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川畑 徹朗 神戸大学, 総合人間科学研究科, 教授 (50134416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 哲也 神戸大学, 発達科学部, 教授 (60082989)
中村 晴信 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (10322140)
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Keywords | ライフスキル教育 / 喫煙,飲酒,薬物乱用防止教育 / 中学生 / 短期的評価 |
Research Abstract |
新潟県岩船郡の中学校2年生を対象として平成18年3月に実施した第2回目の事後調査の結果について分析し,2年時に実施したプログラムの短期的効果を検討した。その主な結果は以下の通りである。 1.男女ともに家族に関するセルフエスティームの介入校生徒の得点は,比較校生徒の得点に比べて有意に高かった。 2.社会的スキルの尺度のうち,「攻撃行動」の介入校男子の得点は,比較校男子の得点に比べて有意に低かった。 3.ストレス対処行動の「問題解決」と「気分転換」の得点については,比較校男子の得点は介入校男子の得点に比べて有意に高かった。 4.介入校女子は,比較校女子に比べて,たばこの広告分析をできるという者の割合が有意に高かった。 以上のことから,1年生の時ほど顕著ではないものの,家族に関するセルフエスティームの向上,対人関係における攻撃行動を抑制すること,たばこの広告分析に関する自己効力感などの面では,ライフスキル教育の効果が示唆された。ライフスキル教育の効果が1年生の時ほど顕著でなかった理由としては,実施時間数の違い(1年時は17時間,2年時は10時間)もその一因として考えられる。 第2に,中学校3年生用のライフスキル教育プログラムを開発し,実践した。形成的評価の結果によれば,プログラムは教師,生徒の双方から高い評価を得た。 第3に,平成19年度から評価研究がスタートする予定の小学校5,6年生用のライフスキル教育プログラムの概要に関する検討を行った。
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