Research Abstract |
学校安全対策評価システムは,(株)日立公共システムサービスの協力を得て,XMLにより作成した。コンテンツとは,利用目的,利用方法,評価項目,各評価項目の実施頻度,集計結果(実施状況,包括性の程度,以前の結果との比較)から成る。また,評価の領域は,安全教育,施設・設備等の点検と連携,教員研修とした。安全課題としては,登下校中,在校中,校外授業中,在宅中などにおける日常的事故,交通事故,犯罪被害,自然災害,応急手当等とした。評価では,上位のレベルから,領域,点検項目,具体項目を設けた。具体的には,領域「安全教育」では,点検項目として「登下校での防犯」「校舎内への不審者侵入に対する防犯」を設け,点検項目の下に具体項目を設けた。例えば「登下校での防犯」の具体項目は,「通学における様々な危険」,「通学路の危険箇所や危険な状況」,「登下校の仕方」等7つから成る。点検項目(及び具体項目)の数は,安全教育41(94),施設・設備等の点検と連携33(105),教員研修23(65)となった。点検では,必要な点検項目を選択し,その中の具体項目をチェックする。また,領域別の実施状況の包括性をHaddon Matrix(以下HMとする)により確認できる。具体的には,HMの各セル別に,実施率を20%あるいは30%毎の段階で丸記号により表示した。さらに,過去評価結果との比較は点検項目別に行えるようにし,実施状況の向上,不変,低下を矢印記号で示した。データの途中保存,最終保存等も含め,必要な要求はほぼ実装化できた。ただし,評価項目の精選,HMによる評価法に課題が残った。例えば,管理職用と一般教員用の評価項目の分別と整理,評価項目の学校の選択機能の充実などである。各学校の安全実態や安全体制が異なり必要な評価項目が異なるため,統一的項目の提示は難しいが,さらに精選を進める。HMによ る評価は概ね適切と判断できたが,評価の手順に意見も述べられ,手順を一層精査する。
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