2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢ドライバーのための自己評価技能教育プログラム開発
Project/Area Number |
18300225
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 博雄 東北工業大学, 工学部, 教授 (90077503)
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Keywords | 安全運転教育 / 高齢ドライバー / 自己理解 / コーチング技法 / 運転行動診断 / フィードバック |
Research Abstract |
自己評価スキル向上のための支援システムについて、ソフト・ハード両面から開発を進めてきた。ソフト面とは教育プログラムの開発である。プログラムの流れは、(1)運転技能についての事前自己評価、(2)実走行テスト(走行中、ビデオ録画)、(3)ビデオ観察による運転ぶりの振り返り、(4)運転技能についての事後自己評価の4つの課程から構成されている。教育の後にもう一度走行テストを行い、教育効果を測定した。プログラムの特徴は、自身の運転ぶりの振り返りにおいて、指導員が「コーチング技法」を駆使するところにある。運転者自身が持っている自らの自己評価能力をコーチング技法によって引き出し、自己の安全性にっいての課題を理解していくのである。教育後、参加者たちの自己評価は事前調査と比べて、有意に低下した。すなわち、過剰な自信が修正されたことになる。そして、運転行動においても安全性が上昇した。 ハード面の研究は、運転行動録画装置システムの開発である。運転者の運転ぶりを録画して、ハザードについての確認面と、対処行動面の両面から測定を行った。今のところ、録画ビデオを長時間かけて分析し、一人一人の運転行動を診断するという、手間のかかる方法をとっているが、画像処理法を利用することで、短時間の内に診断できる可能性が見えてきた。いずれにしても、ドライバー教育において重要なことは、適切なフィードバック情報を本人に与えることである。そしてその情報の与え方は、指導員主導であってはならない。本人主導の方法で自己理解を進めない限り十分な効果は期待できない。本年度は、コーチング技法を応用することが可能であることを確認したため、さらにフィードバック情報内容の検討を行っていくことになる。
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