2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300230
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森谷 敏夫 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90175638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 達也 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 准教授 (00314211)
坂根 直樹 京都医療センター, 予防医学部, 室長 (40335443)
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Keywords | 骨格筋電気刺激 / メタボリック症候群 / 肥満症 / 運動療法 / インスリン / 血糖値 / 糖代謝 |
Research Abstract |
機能的電気刺激は随意筋収縮とは異なる運動神経・筋線維の動員順序を惹起できるので、比較的軽い筋収縮で速筋線維の動員が可能になる。更に、選択的な速筋線維の動員は筋グリコーゲンの消費に直結するので、糖代謝亢進、それに伴うインスリン感受性の亢進など、抗糖尿病効果やエネルギー消費効果による隠れ肥満の防止に極めて有効であると考えられる。今年度は、これらを実験的に検証するために、18年度の研究で確立した有効な機能的電気刺激の肥満や内臓脂肪症候群の中年男性予備軍(年齢:45.0±3.8歳、BMI:27.0±0.6)を対象に実験を行った。各被験者は、1週間以上の間隔をあけて2つの試行(筋電気刺激、コントロール)をランダムな順序で実施した。呼気ガス及び乳酸データは、食前と食後20分に取った。採血は食前と、食後30分、60分、90分、120分に行った。コントロール群と比べて筋電気刺激群は、酸素摂取量は約2倍に有意に増加し(P<0.05)、呼吸商・乳酸・糖質消費量も有意に高かった(P<0.05)。コントロール群と比べて筋電気刺激群の食後血糖値は、食後60分及び食後120分に減少有意傾向が認められた(P<0.1)。コントロール群と比べて筋電気刺激群の食後インスリン値は、食後90分に減少有意傾向にあり(P<0.1)、食後120分に有意な減少が見られた(P<0.05)。以上のように、本研究は中年肥満男性の骨格筋電気刺激により、エネルギー代謝や糖代謝を高め、食後血糖値・インスリン値の上昇抑制をもたらす重要な新知見を得たもので、今後の肥満、メタボリックシンドロームなどへの新たな運動療法の先駆けになる可能性が大いに期待される。
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