2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300230
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森谷 敏夫 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90175638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 達也 京都大学, 大学院・人間環境学研究科, 准教授 (00314211)
坂根 直樹 京都大学, 京都医療センター, 室長 (40335443)
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Keywords | 運動処方 / 機能的電気刺激 / 随意運動 / 他動的運動 |
Research Abstract |
本年度の研究では、四肢の動きを伴わない低周波骨格筋電気刺激運動療法における心臓循環応答に関して、随意運動(自転車エルゴメータ)との同一酸素摂取量での比較検討を行った。被験者は男子学生8名とした。各被験者は、電気刺激試行(ES条件)、随意運動試行(VC条件)の各試行においてランプ負荷の運動テストを行った。ES条件においては、20Hzの刺激周波数を用いて左右の大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋を同位相で刺激し、刺激電圧により運動強度を調節した。また、VC条件においてはES条件の酸素摂取量変化と同一の変化になるよう運動負荷を調節した。その結果、ES・VC各条件において、運動負荷(酸素摂取量)の増加とともに、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、心筋酸素消費量(TTI)が有意に増加し(P<0.05)、心筋脱・再分極時間(RT)は有意に減少した(P<0.05)。さらに、SBP、DBP、TTI、RTの各指標に関してES・VC条件間での差は認められなかった。本研究の結果、整形外科的疾患など随意運動のできない運動弱者に対して、四肢の動きを伴わない低周波骨格筋電気刺激療法を行うことで、随意運動と同程度の心臓循環系の活性化を実現できることが明らかとなった。さらに、筋収縮のリズムと心収縮のリズムのタイミングの違いが血圧及び心拍出量に及ぼす効果を検討した。測定後、毎拍ごとに心収縮と筋収縮の時間ずれの大きさをコンピュータで解析した。その結果、心収縮をトリガーとして筋収縮を惹起する電気刺激回路を開発することにより、電気刺激時の血圧を低下させ、心拍出量を上昇させることができる可能性が指摘された。
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