2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18300244
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
高鳥 浩介 Tokyo University of Agriculture, 農学部, 客員教授 (50270624)
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Keywords | アレルギーぜんそく / 衛生 / 環境 / 生態学 / 菌類 |
Research Abstract |
A.室内環境に関するカビ生態研究:室内環境のカビの生態に関する調査研究を継続実施した。空中カビを落下法および浮遊法の両者から検討し、生息・分布の特定を検討した。その結果、浮遊法は落下法とおおむね比例することが分かった。しかし落下法での開放時間を今後検討する必要があった。 B.室内環境でのカビ分布の特異性研究:前年度の結果に基づいて主要な10種カビに限って分布特異性を3年分まとめた。特に環境状態(湿度・温度・水分)から検証したところ、Cladosporiumおよび無胞子性真菌マイセリアの温度との関係が深いものと思われた。 C.室内空気中のカビに関する生物学的特性:分離カビの生理学的特性を好湿性および好乾性真菌について複数株での生物特性を検索した。対象は、好湿性カビ:Alternaria alternata, Trichoderma viride, Rhizopus stoloniferおよび好乾性カビWallemia sebi, A..versicolor, A.ochraceus, Eurotium chevalieri, E.amstelodamiに限った。温度と湿度の関係が分布に強く影響していた。これは室内環境でのカビ分布結果を反映するものであった。酸素要求性:酸素濃度0.02-10.0%範囲で実施したが、0.1%あたりがカビの発育を支配しているものと思われた。 D.カビによる室内環境と健康・環境被害に関する研究:近年の住構造様式や気象環境差による生息カビの変化がもたらす室内環境構造,室内気象環境差による健康および環境影響について調査した。環境からカビを簡便かつ迅速に検出する目的で、抗原検出法やPCR法などの応用、そのための検体の処理法について検討した。今年度での結果からは完全ではないが、簡易迅速に検出できるシステム化が可能になるものと思われた。
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