2006 Fiscal Year Annual Research Report
妊婦・授乳婦の骨密度検診の提案および食生活指導方針の確立
Project/Area Number |
18300253
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
米山 京子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (30079743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 順子 京都文教短期大学, 家政学部, 教授 (30076880)
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Keywords | 骨密度 / 超音波骨密度測定法 / 食生活 / カルシウム栄養 / 妊婦 / 授乳婦 / 蛋白質栄養 / 骨吸収 |
Research Abstract |
2006年7〜12月に、妊娠初期と妊娠中期の2回の骨密度測定および周産期の特性、生活状況、連続した3日間の食事記録の調査を行った妊婦の中から、開始時の妊娠週数が21週以上の者、サプリメント摂取者、栄養調査に協力の得られなかった者を除き29名を縦断的研究に関する分析対象とした。 縦断的解析の結果、 1.対象者の半数以上において、妊娠中期には妊娠初期に較べ骨密度が高くなる場合が認められた。 2.重回帰分析の結果、中期における骨密度変化率に有意に影響を与えている要因は、タンパク質およびカルシウム摂取量、妊娠回数で、タンパク質では負、カルシウムでは正、妊娠回数では正の関連が認められた。 3.カルシウムとタンパク質の摂取量の比(Ca/Pro)と、骨密度変化率との間にr=0.46(n=29,p<0.01)の正の相関が認められ,タンパク質摂取量に対しカルシウム摂取量が多い場合、骨密度変化率は上昇した。妊娠前半期においてCa/Pro比の増大が妊娠前半期の骨密度付加に対して重要であると言える。 4.タンパク質摂取源では肉・魚類、カルシウム摂取源では乳・乳製品との相関が最も大きかった。食品群別に見ると、〔肉・魚類のタンパク質g/乳・乳製品類のカルシウムmg〕摂取比が10以上の場合、骨密度は低下しないことが判明した。 横断的解析の結果 対象者71名のうちCa剤を摂取していた3名を除いた68名について横断的解析を行った。 (1)密度の分布をみると最頻値は80〜85で、ほぼ正規分布を示した。 (2)妊娠回数が多いほど骨密度が低くなる傾向が見られた。 (3)尿中H.p/creと妊娠週数の間にはr=0.30(n=34,p<0.05)の有意の正相関が見られた。 (4)生活習慣の項目では、「職業の有無」で専業主婦が、「妊娠前の活動量」では「運動をする」ほど、「日中の外出頻度」では外出頻度が多いほど骨密度が有意に高かった。
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Research Products
(2 results)