2008 Fiscal Year Annual Research Report
妊婦・授乳婦の骨密度検診の提案および食生活指導方針の確立
Project/Area Number |
18300253
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
米山 京子 Nara University of Education, 教育学部, 教授 (30079743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 順子 京都文教短期大学, 家政学部, 教授 (30076880)
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Keywords | 骨密度 / 超音波骨密度測定 / 食生活 / カルシウム栄養 / 妊娠 / たんぱく質栄養 / カルシウム・たんぱく質バランス / 骨吸収 |
Research Abstract |
これまでの一連の研究により、妊娠期および授乳期のいずれも骨代謝が亢進し、骨密度は低下すること、低下の程度は個人差が大きく、影響要因として妊娠期では年齢、妊娠回数、3週間以上の臥床、食生活、授乳期では出産回数、授乳期間、体重変化、前回の出産・授乳との間隔、授乳中および回復期の食生活が認められた。妊娠、授乳、離乳期は骨密度が大きく変動する時期であり、ことに食生活要因はすべての時期に関連が見られること、栄養素ではたんぱく質に対するカルシウム(Ca)の摂取バランスが骨密度保持の決定要因となることが示唆された。そこで、本年度はさらに例数を増やして、食事との関係を代謝指標との関係も含めて検討した。妊娠前半期および後半期、全期間について検討した。研究成果は、 1.妊娠前半期に骨密度が増加する場合と低下する場合が認められ、増加群では低下群に較べて妊娠全期間の低下率は有意に低く、前半期の増加が意義があることが判明した。 2.妊娠前半期の骨密度変化率はCa摂取量は正、たんぱく質摂取量は負の関連が認められ、両者の比Ca/ProはCa、たんぱく質単独の場合より強い正の関連が認められ、両者のバランスの意義が再確認された。 3.前半期のCa/Proは初期および中期の血清Ca/Pと正の有意相関、また初期の血清Ca/Pは初期、中期のBAPと正、初期Ca/Cre、尿中NTXといずれも負の有意相関が認められた。 これらの結果は妊娠前半期の食事中のCaとたんぱく質摂取バランスが妊娠中の骨密度低下を抑制するのに重要であることを示している。妊娠中の骨密度保持のためには、「日本人の栄養摂取基準」において、たんぱく質付加量に応じたCaの付加量が必要であることが示唆された。
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Research Products
(4 results)