2007 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄特産緑黄色野菜による生体内抗酸化栄養素及び酸化ストレスマーカーに与える影響
Project/Area Number |
18300254
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
等々力 英美 University of the Ryukyus, 医学部, 准教授 (60175479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 奎城 琉球大学, 医学部, 助教 (90315466)
大屋 祐輔 琉球大学, 医学部, 准教授 (30240964)
佐々木 敏 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70275121)
ウィルコックス クレイグ 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (70316214)
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Keywords | ヒト介入試験 / 沖縄伝統的食事 / 沖縄特産野菜 / 血圧降下 / 抗酸化栄養素 / 高血圧予防 / 無作為割付比較試験 / 米国人 |
Research Abstract |
沖縄の野菜は長寿要因の一つとされているが、ヒトを対象とした沖縄野菜と沖縄型食事の組み合わせによる検証は十分に行われていない。普段、西欧型食生活を送っている集団(米国人)に、沖縄野菜+沖縄型食生活を送ってもらい、沖縄野菜と沖縄型料理による生活習慣病予防効果の科学的な実証を行なった。 40-69歳の沖縄在住(中部地域在住)のアメリカ人の男女150名、食事介入は、伝統的沖縄食を現代風レシピに改良したチルド食を週8食(月曜日~木曜日の昼、夜)と、ゴーヤジュースを約1L(土、日曜日)飲食させた。チルド食1食分の野菜は平均243g、塩分は2gである。介入試験は無作為化割付による研究デザインで行っている。 1.沖縄野菜を豊富に取り入れた伝統的沖縄型食事が、高血圧予防に有効である可能性が示唆された。 2.米国人で、収縮期血圧と拡張期血圧に有意な減少効果が見られた。4週間の介入後、前半介入群で、収縮期血圧が2.6mmHg減少(95%CI-4.3~-1.1)し、拡張期血圧も2.1mmHg減少(95%CI-3.1~-1.0)した。また、高血圧被験者でより顕著であることも確認した。一方、対照群である後半介入群では、収縮期血圧は0.2mmHg減少(95%CF-1.6~1.1)、拡張期血圧では0.3mmHg減少(95%CI-2.1~0.6)であり、血圧に変動は見られなかった。※CI:信頼区間 3.米国人で、血中ビタミンC摂取の増加、24時間尿中ナトリウム排泄量の減少と0.9kg(95%CI-1.3~-0.6)の体重減少が見いだされた。 4.米国人対象者の7割が、沖縄野菜を豊富に取り入れた伝統的沖縄型チルド食に対して再購入を希望した。 5.本研究における伝統的沖縄食を現代風のレシピに改良したチルド食は、米国人にも受容されており、沖縄の若年者にも受容されやすい可能性が見いだされた。
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