2008 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄特産緑黄色野菜による生体内抗酸化栄養素及び酸化ストレスマーカーに与える影響
Project/Area Number |
18300254
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
等々力 英美 University of the Ryukyus, 医学部, 准教授 (60175479)
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Keywords | 食事介入 / 無作為化割付比較試験 / 沖縄型食事 / 沖縄野菜 / 高血圧予防 |
Research Abstract |
研究内容のさらなる質の向上と確証のために首都圏住民を対象に、同様の食事介入研究を実施した。対象者は、主に神奈川県、東京都に居住の健康な40歳以上69歳未満の日本人男女である。対象者は282名(男性131名、女性151名)、平均年齢は52.2歳であった。対象者の90%が12週間の研究を終了した。介入方法は米国人を対象とした方法とほぼ同一である。 前期介入群(介入前127/78mmHg)で、収縮期血圧が4.4mmHg減少(95%Cl-5.5~-3.4)し、拡張期血圧も2.5mmHg減少(95%C1-3.2~-1.8)した。一方、対照群では、収縮期血圧は2.5mmHg減少(95%C1-3.2~1.8)、拡張期血圧では1.1mmHg減少(95%C1-1.8~0.4)であり、血圧に有意な減少効果が見られたが、介人群と比較して減少幅は少なかった。対照群における血圧の減少は、顕著な教育効果が観察でき、今回の介入研究における対象者の特性(健康、食、沖縄に関心を持つ)が反映されたと考えられる。収縮期および拡張期血圧の減少幅は、同一の介人食を摂取した米国人の結果とほぼ同程度であった。介人食群で血中ビタミンCおよび葉酸の増加との体重減少が、有意に見いだされた。これらの測定項目の変化の各群間の差は有意 (p=0.0001~0.05)であった。前期介入における脱落率は13%であった。 1)沖縄野菜を豊富に取り入れた伝統的沖縄型食事が、血圧予防に有効である可能性が示唆された。2)欧米型食事を基礎にして作られたDASH食とは異なる食文化である沖縄の伝統的食事が、DASH食と同様の効果を示したことから、多様な食文化による食事パターンによる介入を試みる意義が見いだされた。3)高血圧を含めた生活習慣病の予防や治療において、食事パターンへの介入が有効な戦略となりうると考えられた。
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