Research Abstract |
1,2年目に引き続き,(1) 「体感」して理解する動的実験・観察教材の開発と(2) 実施のための支援システム作りのための基礎研究を実施した.そして,授業支援として,児童・生徒,教師,地域・保護者ボランティア,大学教員,大学生・院生のTAからなる支援パターン図を描くことを試み,支援のパターン化を試みた.支援システムの形態は,野外型の観察授授業と室内型の実験・観察型の2つに区分される.野外型では,多様な自然を対象にするため,専門性と経験を必要とするので,専門家の関与が非常に重要なポイントとなる.そのため,授業者として,専門家に委ねることが良いと思われる.また,野外活動での児童・生徒の安全性の確保するうえでは,保護者ボランティアの関与が不可欠である.一方,室内型では,比較的,教師が主体的に指導できる例が多い.実験・観察のための装置,器具,試薬調整など,準備と後片付けに要する時間を要するので,大学生・院生のTAによる支援が必要である.また,支援システムに基づく授業実施に際して,授業者が専門家であっても,教育課程や当該校でのカリキュラムを理解した上で,実施しなければならない.専門家が授業した例では,事前の打ち合わせにより,野外学習実施までの準備授業,生徒の知識量などに関して,把握できていたので,授業がスムースに進んだ.また,児童・生徒も,授業当初は珍しさがあったが,時間とともに平常化した.このように,支援システムによる実験観察授業の有用性が確かめられた.学生・院生を活用することで,彼らの科学コミュニケーターとしての意識を高めることができた.
|