2007 Fiscal Year Annual Research Report
開発分野におけるケースメソッドの展開:ニーズに基づく国際連携を目指して
Project/Area Number |
18300280
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 しのぶ Tokyo Institute of Technology, 学術国際情報センター, 教授 (40345369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川辺 みどり 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (80312817)
樋口 まち子 東京工業大学, 国立国際医療センター(研究所), 研究員 (40335584)
阿古 智子 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 准教授 (80388842)
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Keywords | 国際開発 / ケースメソッド / 教材開発 / 地域開発 / 人材育成 / 持続可能な開発 |
Research Abstract |
本研究は,国際・地域開発に従事している日本人専門家・教育者の実務体験を分析しケース作成を通じ,指導要領を含めて教材化し,開発分野における材育成に資することを目的としている.今年度は各研究者のケース作成のための現地調査・情報収集を強化し、更には、各分野の問題分析を実施した.また、ケースのテストティーチングも共同で実施した。 山口:モンゴルのインフラ整備の整っていない村校での教員のモチベーションレベルが高い点に注目し、インフラの整わない僻地の学校において教育開発プロジェクトを促進する際のSustainabilityに関する要因について分析するケースを執筆し、テストチーチィングを実施。また、2本目のケースであるラオスの世界文化遺産保護と開発のバランスについての執筆のため現地を2度訪問。協力執筆者への教育開発分野における執筆を依頼。(神戸大学大学院教授、UNDP専門家)。 川辺:ケース・メソッドによる授業プログラムの組み立てに力をいれ、(1)東南アジア零細漁民のエンパワーメントについてプログラムの作成と授業実践(12月)、(2)イルカ漁のケース・メソッド授業実践(11月〜12月)と学生の発言記録と評価、(3)英国沿岸環境利用に関する合意形成プロセスについての手法調査(7月)、をおこなった。また、フィリピン沿岸資源管理、知床世界自然遺産の海域管理計画、芝浦生き物の棲み処づくりプロジェクトに関するケース作成の準備をおこなった。 樋口:「スリランカにおける生活習慣病の協力支援を題材に教材を執筆し、国立看護大学校研究課程部「国際看護学特論」の授業及び複数の保健看護系大学の学部及び修士課程の授業で使用し、授業評価の結果に基づき教材の改善を図った。また、タイの地方の病院で起きたAIDS/HIVの薬剤供給問題に関して執筆したケースを改善した。さらに、スリランカの戦闘復興支援が津波被害支援にシフトする過程で発生する問題をテーマにしてケースを執筆し、内容を改善するための調査に取りかかりつつある」. 阿古:研究メンバーとの議論やテストティーチング(2月・姫路生涯学習大学にて)を基に中国湖北省における農業灌漑と老人協会に関するケースを執筆・修正した他、中国語版のケースメソッド教材の出版に向けて構成・内容の検討、出版社との交渉を開始。また、ケース執筆を依頼したJICA専門家が12月に学習院女子大学でカンボジアのAIDS/HIV問題に関するケースのテストティーチングを実施したが、学生たちが多角的な視野から問題を分析できるような授業計画プランを開発するために議論を重ねた。
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