2008 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャル・プレゼンスの主要因である教師の表情と学級風土の関連分析
Project/Area Number |
18300294
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
斎藤 美穂 Waseda University, 人間科学学術院, 教授 (90288043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 栄一郎 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20000086)
松居 辰則 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20247232)
石川 真 上越教育大学, 学校教育総合研究センター, 准教授 (60318813)
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Keywords | ソーシャル・プレゼンス / 表情 / 学級風土 / クラス雰囲気 / 教師 / FD / 顔上げ行動 / 感情認知 |
Research Abstract |
本研究では、小学校の一斉授業において、ノンバーバルコミュニケーションであり、ソーシャル・プレゼンスの一側面でもある教師の表情を分析し学級雰囲気に与える影響を検討した。 最終年度では、教師の表情が児童に与える影響について、児童個々への影響ではなく、クラス雰囲気という全体的な影響の指標を用いて検討を行った。6人の教師の顔を追尾した動画と、複数の児童の態度が判るように教室前方から撮影した動画を刺激とした。これら刺激を用いて、教師の人物印象、表情表出頻度、クラス雰囲気について評定させた。教師の印象評定について因子分析を行った結果、<friendly><adult>の2因子が抽出され、教師の印象は親しみやすさや信頼感、落ち着き感や真面目さによって評価されることがわかった。また、教師の表情の表出頻度と比較したところ、真顔の教師は落ち着き感や真面目さの評価が高く、笑顔の教師ほど親しみやすさが高いという結果となった。クラス雰囲気の因子分析結果では、<unity><friendly><strict>の3因子が抽出され、クラスの雰囲気は統一感や親しみやすさ、厳格さによって評価されることが明らかになった。さらに、表情の表出頻度や教師の人物印象評定と比較した結果、教師の表情がクラス雰囲気にも影響を与えることもわかった。笑顔の多い教師のクラスでは「だらけ感」が低く、緊張感を持って集中して授業を受け、嫌悪顔や怒り顔が多い教師のクラスでは「だらけ感」が高く、緊張感が少なく、授業に集中していない雰囲気があると評価された。教師の印象と表情はクラスの雰囲気に影響を与える可能性が示唆された。 教師の表情が与える影響について多角的な視点から考察した結果、教師の人物印象は児童との一体感、クラス雰囲気に影響することが明らかとなった。本研究の成果を教育現場におけるFD向上につなげ発展させることを今後の課題としたい。
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Research Products
(2 results)