2007 Fiscal Year Annual Research Report
患者主導型科学技術研究システム構築のための基盤的研究
Project/Area Number |
18300302
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松原 洋子 Ritsumeikan University, 先端総合学術研究科, 教授 (80303006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 義之 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (10225352)
立岩 真也 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (30222110)
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 教授 (90215806)
武藤 香織 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (50345766)
水月 昭道 衣笠研究機構, 人間科学研究所, 研究員
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Keywords | 学科コミョニケーション / 現場知 / 障害者 / 稀少疾患 / アシスティブ・テクノロジー / インターネット / 患者アドボカシー / 生命倫理 |
Research Abstract |
本研究では、患者主導の科学/技術の新しい関係構築につながる社会システムモデルの提案をめざし、その基礎となる調査研究を行う。 1.インスタント・メッセンジャーを活用した患者集会のアクションリサーチ:意思伝達装置を使用する患者を交えたチャットとリアルタイム映像によるコミュニケーションの特性を検討した。インスタント・メッセンジャーが患者の社会参加と遠隔地間のピア・サポートを促進に有効であることが示唆されると同時に、意思伝達装置の作動環境の調整など、技術上の課題も明らかになった。 2.意思伝達装置やインターネットを活用する在宅介護の患者、その技術サポートをしている患者のインタビュー調査:インターフェースとしてのスイッチや意思伝達装置のインターネットアクセス環境の調整、さらにITをコミュニケーションに利用する患者の在宅介護にふさわしい居室環境の整備において、患者・家族ならではの技法が重要であり患者のローカル・ノレッジの共有化が必要であることを確認した。 3.「福祉ものづくり」プロジェクト(湘南工科大学)との共同研究会:患者・障害者の現場知を重視した、工科系大学におけるサービスラーニング・技術倫理教育と患者支援の結合プログラムを開始した。 4.稀少疾患患者の生存に関わる人文学・社会学的基礎研究:重度障害者の生活の質を知る上で重要な指標であるSEI-QoL・稀少疾患患者団体のネットワークの現状・ポストゲノム時代の患者エンパワメント活動・国民健康運動における死生観等の調査、病苦や福祉および医療資源の分配に関する理論的考察を通して、現代日本における稀少疾患患者の生存の条件について多角的に検討した。ハンチントン病患者の遺伝リテラシーの検討については、主に文献による予備調査を実施した。これにもとづき平成20年度には、遺伝概念が、患者の自己認識や活動に与えた影響を検討するシンポジウム等を実施する。
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