Research Abstract |
地域性の異なるアジアの諸地域における複数の水文研究の成果を,比較水文学的手法に基づき,総合化を試みている。そのために,平成19年度は,中国黒竜江省三江平原,中国河北省華北平原,インドネシア、ジャワ島、チリウン川流域および千葉県下総台地地域において水文調査を行った。特に,環境水の硝酸態窒素濃度に着自し、多地点の採水と分析を行った。その結果,下総台地地域では千葉県の調査結果に表れない多数の環境基準超過地点を見出し,硝酸プールとしての下総台地の実態を明らかにしつつある。三江平原では硝酸態窒素と総鉄,二価鉄の分析を行い,地下水流動系に対応する分布を得た。ジャワ島チリウン川流域ではこれまでに2回の採水を行い,硝酸態窒素汚染の実態が明らかにされつつある。華北平原では石家庄周辺の地下水について分析を進めており,硝酸態窒素汚染め実態が明らかにされつつある。また,ヨルダン,死海流域においてほ地理情報を用いた汚染に対する脆弱性マッピングを行った。 以上のように,平成19年度は硝酸態窒素濃度を比較研究のキーとして用い,地域の汚染の実態を明らかにした。これらの地域は湿潤熱帯(チリウン川),温帯湿潤地域(下総台地),半乾燥地域(華北平原),亜寒帯地域(三江平原)に位置しており,気候帯の違い,また農地化「都市化に特徴のある地域であり,硝酸態窒素房染め実態の比較により,アジアのおける知誠・経験基盤の集積に役立つものと考えられる。 衛星データ、地理情報解板については,上記の地域に加えて,中国新彊,内蒙古,バングラディシュ地域において地域固有の現象について解析を進めた。
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