2008 Fiscal Year Annual Research Report
空間地理情報の最適利用に基づく「リアリティのあるハザードマップ」の開発
Project/Area Number |
18300314
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 康弘 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (70222065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須貝 俊彦 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (90251321)
小口 高 東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (80221852)
海津 正倫 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50127883)
辻本 哲郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20115885)
小荒井 衛 国土地理院, 地理地殻活動研究センター, 室長 (50419876)
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Keywords | ハザードマップ / GIS / 地震 / 水害 / 防災 |
Research Abstract |
従来のハザードマップは、500m〜1km程度の均等メッシュ単位で計算された、極めて数値解析的なものであり、土地条件等の詳細な空間地理情報が有効に利用されているとは言い難い。また、災害が起きる自然条件に関する背景や、動的なイメージを表現していない。このため住民にとって、日常空間の中でどのような災害が起こるかのイメージを得ることがほとんどできない。また、そもそもハザードマップには「リスク合算型」と「個別災害表現型」があり混乱している(鈴木,2006)。こうした問題を解決するため、(1)GIS情報としてポリゴン化された土地条件情報を用いることによる、メッシュ型ではないハザード情報の提示、(2)動的な災害像のイメージトレーニングを支援するためのプロトタイプシステム(google earth上に氾濫シミュレーションを表現したグラフィクス)の作成、(3)地形面分布・活断層位置等を重ね合わせることにより、地形発達を理解しながらハザードを知るためのe-learningシステム(活断層情報ステーション)を構築した。さらに、(4)ハザードマップを用いた地域防災力向上の取り組み現場において、現状のハザードマップの問題点と改善点を整理・検討した。またさらに応用的なテーマとして、(5)大規模な(カタストロフィックな)土砂災害を意識したハザードマップや、(6)解析前線等、より高度な地形発達の概念をハザードマップに導入する試みについても検討し、総合的にハザードマップの改善へ向けた議論を深め、「地域特性に応じた防災」の実現に向けた地理学の貢献について課題を検討した。
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