Research Abstract |
活断層で発生する大地震の連動・連鎖現象として,中央構造線・濃尾断層系・山陰地域の活断層を例として論文発表した(岡田,2006).三河地震断層の変位地形について,詳細な記述と累積性を解明した(岡田,2006).また,四国中央部の中央構造線活断層帯の変位地形や断層露頭について,論文化した(岡田・杉戸,2006). 山崎断層系・暮坂峠断層を対象にトレンチ調査を行った.姫路市奥護持地区では砂礫層と基盤岩との不整合面に断層が露出し,断層変位が約2万〜7千3百年前に生じたと判明した.姫路市護持地区第1地点では,中位段丘礫層と基盤岩との不整合面に2.7m以上の上下変位が確認され,少なくとも6回の断層変位が生じた可能性が推定された.第2地点では,約3万年前に堆積した低位段丘礫層に50〜60cmの上下変位があり,礫層堆積以後に3回(約3〜2万年前,約2万〜7千3百年前,約7千3百年前以降)の断層変位が確認された.最新の断層変位は耕作土直下に及び,868年播磨地震に対応する可能性が高い.また高密度の電気探査を実施し,主断層に沿う低比抵抗帯が検出され,トレンチ調査での主断層と良い対応が判明した. 別府一万年山断層帯朝見川・堀田断層について,ボーリングコア2本の沖積層堆積物記載・測色調査を実施し,堆積相解析を行い,断層運動に伴う堆積相変化を考察した(中西ほか,2006).また,CO2フラックスの分布調査から,別府北部地域の地下での断層分布の状況を推定した.大規模地震に伴う地表地震断層と深部起震断層に関する既存資料の整理とカタログの作成した(岩城ほか,2006).活断層活動性評価の基礎としての高精度堆積物分析のレビューを行った(竹村,2006). 四国の中央構造線断層帯が歴史時代に活動した可能性が高いことが,トレンチ掘削調査や史料の解析から指摘されている.そこで,空中写真の詳細判読と現地調査により,数メートルオーダーの微小横ずれ変位地形を解析して,最新活動に伴う横ずれ変位量分布を明らかにした(堤・後藤2006).また,2002年度と2003年度に行った反射法地震探査のデータを解析し,論文としてとりまとめた(堤ほか,投稿中).さらに,同様な島弧中央横ずれ断層である中央構造線断層帯とフィリピン断層帯との比較検討を行った(堤・Daligdig,2006).
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