2006 Fiscal Year Annual Research Report
放射性炭素年代測定法を用いた土壌圏炭素シーケストレーションの定量
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18310003
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大塚 俊之 茨城大学, 理学部, 助教授 (90272351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 昌男 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境観測研究センター, 研究員 (50344289)
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Keywords | 土壌圏炭素 / 落葉広葉樹林 / 炭素循環 / 放射性炭素同位体 / 加速器質量分析計 / 炭素ターンオーバー / 生態系純生産量 / 炭素シーケストレーション |
Research Abstract |
土壌はどれだけの量の炭素をどれだけの期間にわたって蓄積できるのだろうか。微気象学的研究が温帯性落葉広葉樹林のCO_2シンクとしての役割を明確にした一方で、岐阜大学・高山サイトでの生態学的研究は粗大有機物や土壌有機物などの枯死体有機物に炭素が主に蓄積することを示した。このことは、土壌圏炭素(SOC)の循環プロセスを明らかにすることが、最も重要な課題の一つであることを意味している。本年度の研究では、SOC動態を研究するための新たなツールとしての放射性炭素同位体(^<14>C)の利用について焦点を当て、詳細な炭素循環研究が先行している高山サイトにおいてSOCの平均滞留時間を推定した。 植物によって固定された有機物のΔ^<14>Cは、その時の大気と等しく、その後半減期5730年で減少する。近年の加速器質量分析計(AMS)の進歩は、土壌内で複雑な有機マトリクスを形成しているSOCの、高精度の年代決定と詳細な滞留時間の推定を可能にした。本年度は高山サイトにおいて深さ別に土壌をサンプリングし、比重選別(2g/cc)を行った後にAMSにより土壌有機物のΔ^<14>Cを測定した。B層(80cm)までの総炭素量は、26.2kgC m^<-2>に達した。LH層を除いた表層10cmまでのすべての有機物はΔ^<14>C>100%。であった。これは、最近40年程度に蓄積した若い有機物であり(bomb C=4.5kgC m^<-2>)、総炭素量の17%を占めた。15cm以下の深度ではすべての有機物はΔ^<14>C<0%。であり、^<14>C崩壊が起こるのに十分なくらい有機物が土壌中に滞留していたことを示し、有機物年代は2500年から3000年以上に及んだ。一方でその間のSOCは、0<Δ^<14>C<100‰であり、数十〜100年程度のターンオーバーであるか、ターンオーバーの遅い有機物と早い有機物の混合である可能性も考えられる。
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Research Products
(1 results)