2006 Fiscal Year Annual Research Report
温暖化に伴う土壌有機物の動態解析と森林生態系変化予測
Project/Area Number |
18310005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
東 照雄 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 教授 (20094170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 憲司 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助教授 (70211373)
川東 正幸 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (60297794)
大瀬 健嗣 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 研究員 (90396606)
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Keywords | 温暖化 / 土壌有機物 / 森林生態系 / 土壌水分・温度 / 環境変化応答 |
Research Abstract |
以下、本年度の研究実施計画(平成18年度科学研究費補助金交付申請書)に従って、記入する。 1)研究対象地点の選定 計画通り、筑波大学農林技術センター川上演習林内の例温帯落葉広葉樹林でミズナラを主体とする森林生態系(火山灰由来の酸性褐色森林土)に研究地点を設定した(平成18年7月)。 2)簡易温暖化チャンバーと温度・水分センサーの設置および土壌呼吸量の測定 アクリル樹脂製の簡易温暖化チャンバー設置区3ヶ所、赤外線照射をした簡易温暖化チャンバー設置区(午前5時より午後5時まで)3ヶ所、および対照区3ヶ所を設け、それぞれに、地温・水分センサー(表層5cmの深さ)を設置した(平成18年8月)。平成18年8月から12月10日まで、地温の継続的な測定と5回の水分測定を行った。その結果、平均地温は、チャンバー区で0.4℃、赤外線区で2.7℃の温度上昇が認められた。水分については、赤外線区でより低くなった。また、上記の温度上昇に伴い、土壌呼吸量が増加し、両者には高い相関関係が認められた。 3)簡易温暖化チャンバー設置前と設置後3ヶ月の土壌分析の比較 土壌有機物量は、特に赤外線区で明らかに減少し、分解が促進された。土壌pHは、チャンバー設置により、上昇する傾向が認められ、交換性Al量の減少と良く対応していた。その他の実施計画で示した土壌の一般的理化学性については、分析を継続中である。 4)土壌有機物の形態変化 簡易分析の段階であるが、NaOH抽出腐植の光学的性質は、チャンバー設置により、明らかに変化した。CD値、MI Index,ΔlogK値から見ると、とくに、赤外線照射区で、土壌有機物の腐植化の進行が明らかとなった。今後、さらに詳細な存在形態別の土壌有機物分析を行う。
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Research Products
(1 results)