2008 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化・気候変動下での流域環境変化に対する森林管理の有効性評価
Project/Area Number |
18310021
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
篠田 成郎 Gifu University, 総合情報メディアセンター, 教授 (80187369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 朗義 岐阜大学, 工学部, 教授 (30322134)
児島 利治 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (90346057)
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Keywords | 緑のダム / 間伐 / 森林土壌 / CO2収支 / 環境変動 / リモートセンシング / 応用一般均衡モデル / 経済評価 |
Research Abstract |
研究の全体計画に従い,本年度は次の研究を実施した. 1. 森林内物質収支に及ぼす森林管理状態の影響評価:観測頻度が高いTerra/MODISによるリモートセンシングデータを用いて,植生の季節変動(フェノロジー)に基づく植生タイプ分類手法を提案し,岐阜県を中心とする中部日本域に適用できた.また,間伐実施済林と間伐未実施林における土壌水分状態,土壌微生物生息状態およびCO2収支に関する現地観測を行い,それぞれの違いを検討した.その結果,間伐実施済林では,間伐未実施林に比べて,無降雨時に土壌水分が高く,土壌微生物生息数も多くなることがわかった.また,CO2収支としては,切捨間伐材の腐食に伴うCO2排出量が支配的になるために,間伐実施済林の方が林分全体としてのCO2固定量が少なくなるケースが存在することも明らかとなった. 2. 森林内物質収支に及ぼす気温上昇および降水パターンの影響評価:昨年度に引き続き,過去26年間の気象・水文データに対する統計解析を行ったが,降水パターン変化の経年変化特性や地域特性を明確に把握するには至らなかった. 3. 森林内物質収支変化による流域環境変化応答のモデル化:樹冠疎密度などの植生構造を考慮した樹冠遮断モデルを分布型降雨流出モデルに組み込み,流域全体の有効雨量分布を推定した.観測流量データより得られた各降雨イベントにおける総直接流出量と,モデルによって得られた流域全体での総有効雨量の関係を調べた結果,良好な対応が得られた. 4. 流域環境変化に対する森林管理の経済効果評価:前年度に構築した森林管理による経済影響評価モデルを用いて,現況の森林管理による経済への影響を評価し,その再現性を検証するとともに,モデルのパラメータに関する感度分析を行った.
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Research Products
(4 results)