2007 Fiscal Year Annual Research Report
農薬分解産物ニトロフェノール類の生殖毒性および肺癌活性化に関する研究
Project/Area Number |
18310044
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田谷 一善 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (60092491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 元 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (90158626)
鈴木 明 独立行政法人国立環境研究所, PM2.5DEPプロジェクト, 主任研究員 (20124349)
種田 晋二 独立行政法人国立環境研究所, PM2.5DEPプロジェクト, NIESポスドクフェロー (90391127)
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Keywords | ニトロフェノール / 農薬 / ディーゼル排気微粒子 / 生殖毒性 / エストラジオール / 黄体形成ホルモン / テストステロン / インヒビン |
Research Abstract |
ニトロフェノール類の生殖毒性作用について、ラットとニホンウズラのin vivoおよびin vitroの初代単層細胞培養系を用いて検討した。また副腎皮質細胞に対する毒性作用についても検討した。 (1) 幼若雄ラットに、3-メチル-4-ニトロフェノール(PNMC)を投与し、視床下部・下垂体・精巣機能に及ぼす影響を調べた。さらに精巣ライディヒ細胞の初代培養系を作製してPNMCのテストステロン分泌に及ぼす直接作用を検討した。その結果、PNMCは、精巣に直接作用してテストステロンとインヒビン分泌を抑制する事実を明らかにした。また、PNMCは、下垂体からの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)による黄体形成ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)分泌を抑制する事実が判明した。さらに、PNMCは、低容量で抗アンドロゲン作用も有する事実が判明した。 (2) 幼若雌ウズラにPNMCを投与して、視床下部・下垂体・卵巣軸に及ぼす影響について調べた。その結果、PNMCは、視床下部・下垂体に作用してLH分泌を抑制し、さらに卵巣に作用してエストラジオールの分泌を抑制し、卵管の発育を低下させる作用がある事実を明らかにした。 (3)幼若雄ラットにPNMCを投与して、in vivoの投与実験では、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌に変化は認められなかったが、コルチコステロン濃度が低下した。そこで、in vitroの初代細胞を用いて、下垂体前葉細胞機能および副腎皮質細胞機能への影響を検討した結果、PNMCは下垂体前葉細胞には作用を示さないが、副腎皮質細胞に直接作用して、グルココルチコイド分泌を抑制する事実を明らかにした。さらに副腎細胞の初代単層培養系を用いてPNMCの作用を検討した結果、ACTHの刺激によるコルチコステロン分泌を抑制する事実を明らかにした。
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Research Products
(3 results)