2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18310048
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
冨永 伸明 有明工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (30227631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 哲也 有明工業高等専門学校, 電子情報工学科, 准教授 (80243921)
有薗 幸司 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (70128148)
高良 真也 長崎大学, 環境科学部, 教授 (40225389)
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Keywords | 線虫 / トキシコゲノミクス / 環境分析 / 有害化学物質 |
Research Abstract |
本研究では,線虫(C. elegans)をモデル生物に用い,重金属カドミウム,水銀,ヒ素等が及ぼす影響を例として毒性学,生化学,分子生物学的に多角的に明らかにし,毒性発揮に対する詳細なメカニズムを解析する手法の確立およびエコトキシコゲノミクスとして分子レベルで総合的判断するための基盤技術を開発することを目的とする. 本年度は,線虫の重金属暴露による遺伝子発現変動の経時的解析を中心に行った.マイクロアレイ解析から発現量の上昇が推定された数種遺伝子についてリアルタイムPCR用プライマーを作製し,カドミウム経時暴露線虫cDNAを調製し,発現量の変動の調査を行ったところ,MTIおよびII遺伝子は暴露時間,濃度に依存して発現量が大幅に上昇することが確認された.他の遺伝子については現在検討中である.また,2次元電気泳動法において1次元目の等電点電気泳動を各種pH範囲で検討したところ,pH5-8の範囲で行うことで良好な2次元像が得られ,カドミウム暴露によってタンパク質スポットが変化することが確認できた.変動タンパク質の同定は今後行う予定である.一方,バイオインフォマティクスの計画において,マイクロアレイデータを各種代謝系酵素に注目し,発現変動パターン変化を化学物質ごとに比較検討したところ,物質特異的な代謝系酵素発現変動パターンが得られることが分かった.このことは,線虫においても様々な物質に対して代謝系として応答していることを示すものである.今後,基本的な代謝系は他の生物とも共通性が高く高く保存されていることから,代謝系酵素の発現変動に注目して他生物との比較検討を行っていき,線虫での化学物質の影響を他生物種に対して外挿できる可能性について検討する.
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Research Products
(2 results)