2006 Fiscal Year Annual Research Report
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18310049
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古月 文志 北海道大学, 大学院地球環境科学研究院, 教授 (40281844)
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Keywords | ナノ素材 / カーボンナノチューブ / 白子由来DNA / 環境のトータル修復 / 生体のピンポイント浄化 / フロンティア軌道理論 / 有機高分子ケージ / 重金属・VOCs |
Research Abstract |
本研究は、カーボンナノチューブや白子由来のDNAなどのようなナノ素材を吸着場として用い、そして、これらの吸着場をポリウレタンポリマーやアルギン酸などのような有機高分子からなる網目構造を持つケージの内に閉じ込めることによって、環境のトータル修復および生体のピンポイント浄化に使える新規吸着材料の開発を目標にして、平成18年度からスタートした4ヶ年計画の研究である。今年度は初年度のため、研究の重心を、吸着場であるカーボンナノチューブおよび白子由来DNAが有害化学物質とどのように相互作用するかの検討に置け、研究を進めてきた。研究成果は以下のように纏めることができる。 ●カーボンナノチューブはベンゼン、トルエン、キシレン等のような芳香性揮発性有機化合物(VOCs)を選択的に吸着する性質を持っている。この選択性は福井フロンテア軌道理論で説明することができる。 ●カーボンナノチューブは光触媒の触媒効果に対して増強効果を示している。この相乗効果はカーボンナノチューブのπ電子の寄与によるものと考えられる。 ●白子由来DNAをポリウレタンポリマーと反応させることにより、多孔質状のDNAフォームを創出することができる。DNAは、フォームの中でも二重螺旋構造が維持されている。 ●DNA/ポリウレタンフォームは鉛イオンやカドミウムイオンのような重金属イオンを選択的に吸着する性質を持っている。重金属イオンの選択的な吸着は錯体形成によるものと考えられる。
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