2006 Fiscal Year Annual Research Report
部分的硝化脱窒法を取り入れた省エネ型膜分離活性汚泥法の開発
Project/Area Number |
18310054
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松本 幹治 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (30011224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田見 匡 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助手 (20377089)
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Keywords | 膜分離活性汚泥法 / 硝化脱窒 / アンモニア酸化細菌 / 亜硝酸酸化細菌 / real-time PCR |
Research Abstract |
生物学的窒素除去法の1つである硝化脱窒法において、排水中のアンモニアは以下の硝酸イオンを経由する経路で窒素ガスに変換される(NH_3→NO_2^-→<NO_3^-→NO_<2^->^->_-→NO→N_2O→N_2)。この経路は、硝化を亜硝酸イオンで止める操作(部分的硝化)により、下線部を省略した亜硝酸イオン経由の経路に短縮される。本研究の最終目標は、膜分離活性汚泥法と部分的硝化脱窒法(亜硝酸イオン経由の硝化脱窒)を組み合わせた生物学的窒素除去法の開発である。本年度は、酢酸塩を主要な炭素源とする硝化脱窒リアクターを実験室で運転し、亜硝酸イオン経由の硝化脱窒を安定的に行うための運転条件について調べた。また同リアクター内の硝化細菌(アンモニア酸化細菌および亜硝酸酸化細菌)の遺伝子量をreal-time PCR法により測定し、硝化脱窒の経路との関連について調べた。 1 リアクターの運転条件について 亜硝酸イオン経由の硝化脱窒を安定的に行うためには、リアクター内の溶存酸素濃度とリアクターに添加する排水のアンモニア濃度を調整することが重要であった。それら因子を制御することにより、温度25℃のもと約100日間の亜硝酸イオン経由の硝化脱窒を行うことに成功した。また同因子の制御値を変更することで、亜硝酸イオン経由の硝化脱窒を硝酸イオン経由とすること、また再び亜硝酸イオン経由に戻すことにも成功した。 2 硝化細菌の遺伝子と硝化脱窒の経路との関連について アンモニア酸化細菌の遺伝子量(A)と亜硝酸酸化細菌の遺伝子量(B)の比(A/B)は、硝化脱窒が亜硝酸イオン経由に移行する過程において増加し、硝酸イオン経由に移行する過程において減少した。これは遺伝子量の比の変化が、硝化脱窒の経路の変化と関連があることを示唆する結果であった。 来年度は亜硝酸イオン経由の硝化脱窒膜分離活性汚泥リアクターにおけるファウリングについて研究を行う予定である。
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