2007 Fiscal Year Annual Research Report
部分的硝化脱窒法を取り入れた省エネ型膜分離活性汚泥法の開発
Project/Area Number |
18310054
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松本 幹治 Yokohama National University, 大学院・工学研究院, 教授 (30011224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田見 匡 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 特別研究教員 (20377089)
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Keywords | 膜分離活性汚泥法 / 硝化脱窒 / アンモニア酸化細菌 / 亜硝酸酸化細菌 / 脱窒細菌 |
Research Abstract |
生物学的窒素除去法の1つである硝化脱窒法において、排水中のアンモニアは以下の硝酸イオンを経由する経路で窒素ガスに変換される(NH_3→NO_2^-→NO_3^-→NO_2^-→NO→N_2O→N_2)。この経路は、硝化をNO_2^-で止める操作(部分的硝化)により、下線部を省略した必要曝気量の少ないNO_2^-経由の経路に短縮される。本研究の最終目標は、膜分離活性汚泥法と部分的硝化脱窒法(NO_2^-経由の硝化脱窒)を組み合わせた省エネ型の生物学的窒素除去法の開発である。本年度は硝化脱窒膜分離活性汚泥リアクターを実験室で運転し、NO_2^-経由の硝化脱窒を安定的に行うための運転条件について調べた。そして同リアクター内の硝化細菌(アンモニア酸化細菌および亜硝酸酸化細菌)の活性や遺伝子量を測定し、硝化脱窒の経路との関連について調べた。またNO_2^-以降の還元反応(脱窒反応)についても、別途回分式脱窒リアクターを運転し、その脱窒活性や脱窒を担う細菌群集について調べた。 1 膜分離活性汚泥リアクターの運転条件 NO_2^-経由の硝化脱窒を行うためには、リアクター内のアンモニア濃度の調整が重要であることを確認した。同濃度の調整により、膜分離活性汚泥リアクターにおいて約50日間の亜硝酸イオン経由の硝化脱窒を行うことに成功した。 2 硝化細菌の活性や遺伝子量と硝化脱窒の経路との関連 硝化脱窒の経路の変化は硝化細菌の活性の変化と対応した。一方経路の変化と硝化細菌の遺伝子量の変化にはほとんど対応がなかった。本研究のリアクターでは、硝化細菌の活性の変化が硝化脱窒の経路の変わる指標であった。 3 回分式脱窒リアクターの解析 脱窒の電子受容体をNO_3^-からNO_2^-に切り替えると、脱窒活性が一時的に低下することがわかった。これは電子受容体がNO_3^-とNO_2^-のときでは、脱窒を担う細菌群集が異なることが一因となっているようであった。
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Research Products
(1 results)