2008 Fiscal Year Annual Research Report
部分的硝化脱窒法を取り入れた省エネ型膜分離活性汚泥法の開発
Project/Area Number |
18310054
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松本 幹治 Yokohama National University, 大学院・工学(系)研究科(研究院), 教授 (30011224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田見 匡 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 特別研究教員 (20377089)
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Keywords | 膜分離活性汚泥法 / 硝化脱窒 / 硝化細菌 / 曝気量 / イオン電極 |
Research Abstract |
生物学的窒素除去法の一つである硝化脱窒法において、排水中のNH_3はNO_3^-を経由する以下の経路で窒素ガスに変換される(NH_3→NO_2^-→NO_3^-→NO_2^-→NO→N_2O→N_2)。この経路は、硝化をNO_2^-で止める操作(部分的硝化)により、下線部を省略した必要曝気量の少ないNO_2^-経由の経路に短縮される。本研究の最終目標は、膜分離活性汚泥法と部分的硝化脱窒法(NO_2^-経由の硝化脱窒)を組み合わせた省エネ型の生物学的窒素除去法の開発である。最終年度である本年度は、昨年度までに知見を得た部分的硝化を達成する条件の下、浸漬型の膜分離活性汚泥装置でNO_2^-経由の硝化脱窒を行い、運転に必要な曝気量を実測した。また昨年度の研究実績報告書に記したとおり、硝化細菌の活性の変化は、硝化脱窒がNO_3^-経由からNO_2^-経由に移行する指標であった。そこで膜分離活性汚泥装置内の硝化細菌の活性の変化を迅速に把握する目的で、イオン電極により活性汚泥中のNH_4^+,NO_3^-,NO_2^-濃度の変化を測定した。 1 NO_2^-経由の硝化脱窒による曝気量の削減効果 部分的硝化により硝化脱窒をNO_3^-経由からNO_2^-経由とすることで、浸漬型膜分離活性汚泥装置の運転に必要な曝気量を28%削減することに成功した。本結果は、部分的硝化脱窒法を取り入れた膜分離活性汚泥法が、省エネ型生物学的窒素除去法であることを実証するものであった。 2 イオン電極による活性汚泥中のNH_4^+,NO_3^-,NO_2^-濃度の測定 イオン電極により簡易に測定した活性汚泥中のNH_4^+,NO_3^-,NO_2^-の濃度は、公定法により測定したそれらの濃度とは異なった。しかし経時的な濃度変化の測定においては、その増減傾向が一致した。本結果は、硝化細菌の活性をイオン電極で簡易かつ迅速に追跡できる可能性を示すものであった。
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Research Products
(2 results)