Research Abstract |
前年度までに植物が設置されている環境要因(X_1,X_2,X_3・・・・)と植物生体電位(V)との関係を調べ,v=f(X_1,X_2,X_3・・・・)と示すことを明らかにした。vとfの関係は,まだ不確定な要素が残っているものの生体による関数としては満足のいくものであった。今年度は,上記関数を用いて,環境情報(要因)に対する植物状態をディスプレイ上に顔表現として示すことを検討した。また,植物に接触することによる生体電位変化(触覚情報)も調べ顔表現を行なった。人間からの問いかけ,例えば「温度はどうですか」などについて,語彙連続音声認識エンジンを用いてキーワードを抽出し,それに関連する情報を植物の言葉として発生する。植物からの回答には,テキスト情報を音声波形に変換するライブラリー(ソフトウェア)を利用している。植物の言葉は,先の関数vから求める。システムとしては,温度と湿度センサを具備しており,vの値はかなり環境情報(温度,湿度,照度,水分量,二酸化炭素濃度,触覚情報)を絞ることが出来るため精度が向上している。植物生体電位を利用して,人間からの問いかけに対して環境情報から回答でき,さらに,顔表現としてディスプレイ上に表示させることが出来た。この一連の処理は初めてのことである。幾分,癒し効果やストレス軽減効果が認められた。この点にっいての検証は,今後継続して研究していく予定である。今年3月で本研究は最終年度を向かえ,今後の植物利用促進につなげるため,成果の一部を出版した。大薮,勝部編著:“植物生体電位とコミュニケーション",海文堂出版(株)(ISBN978-4-303-71032-3)
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